名無氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
相手の心がわかってしまう少女の物語
{netabare}
人の心が読めるという特異な能力を持っていることで、主人公は周囲から孤立してしまいます。
人間関係は入り込みすぎると壊れるし、入り込まなすぎるとよそよそしくなります。能力故に両者のバランスを取ることができない主人公は、友人を失い、孤独に苦しみます。そして迷惑をかけじと一人になろうとし、さらに孤立してしまいます。
この段階の孤独までくると人に心を開くことは難しいと思うのですが、彼女に心を開かせることができた友人がいたのは非常に幸いでした。
終盤においては「ごめんね」という母親の本音が出てきます。人の心は読めても、心の奥底まで読むことはできなかったのですから、ある意味で彼女の能力は「人の心を読む」というよりも「その場で相手が思いついたところを読み取る」能力だったと言えましょう。人の心のある一部分しか読み取ることができないということは、読み取れない部分を調整していくことで特異な能力を克服できる可能性もあるということです。また、人の心の一部分しか読み取れないということを自覚すれば、相手を誤解するリスクも減るでしょう。
{/netabare}
相手の侮蔑心や中傷まで読み取ってしまう一方で、相手の本当の善意も読み取ることもできる。絶望と幸福が隣り合わせにある彼女は、今後どのように生きていくのでしょうか。