catcher さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
徹底的に主人公をいじめ抜く作品
原作未読
まず、主人公が誰なのか?という件について。
私の考えでは主人公はタツミです。というか20話以上タツミ視点で進めておいて、主人公はアカメですっていうのは存外おかしい。アニメ版はアカメが主人公だよって意見も少なからず見受けられますが、本当に1話から全て視聴した上での意見なのか甚だ疑問です。
内容について。
タツミ死神説なんて単語が公式に出てきちゃうくらい、周りの人間が死にますね。しかもピンポイントでタツミを追い込んでいきます。
1話で親友2人死ぬ→暫く落ち込む→シェーレに慰めてもらう→シェーレ死ぬ→ショックで取り乱す→ブラートに殴られ励まされ→自分の無力さも相まって目の前でブラート死ぬ。
序盤だけで見事なまでの死神構成です。
少年の成長を描きたかったのか過酷な内戦模様を描きたかったのか……
少し残念だったのは仲間の死を乗り越えていく描写が薄かったかなと思います。
まあ多分それは描きたかったテーマでは無いんでしょうね。
この作品を通して伝わってきたのは因果応報という言葉。
ナイトレイドのメンバーで幸せになれた人間はいなかったわけで。
主要キャラはほぼ戦死。生き残ったナジェンダさんは余生短く、アカメは修羅の道。
大きな事を成し遂げてはいるが、結局彼らの人生とは何だったのか。
最終的にタツミを生き残らせないなら、作中で彼をいじめ抜いた意味は何だったのか??
やはり因果応報です。
大臣を中心に見事な悪国を描いているため気づきにくいですが、ナイトレイドや革命軍は所謂テロリストです。
どんなにつらい条件の中で直向きに頑張っていたとしても所詮は殺し屋という描き方をしていました。
キャラに重きを置いてしまう私としては少し寂しいと感じましたが、描きたいものがはっきりとしていた点は評価出来ると思います。
また、アニメオリジナルという改変を行ってでも2クールでしっかりと完結させていることも、私にとっては好印象でした。
原作読んでみよう!と思わせるに十分な作品でした。