北山アキ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ユリに詳しくないけどこれがユリじゃないのは分かる
原作未読
全話観て
終わってみれば、演出はトリッキーだけど、
物語のメッセージ的なものは分かりやすいという
ピンドラに共通する長所が出てたように思う。
ぼくは画面の細部の記号まで深読みするタイプではないですが、
1話目の何じゃこりゃ感以降は「なんとなくそんな感じね」とついていけました。
ただ、メロドラマ的な山と谷をてんこ盛りにしたピンドラより
カロリー低くてポップな仕上がりな分、満腹感も薄かったかな。
なので、結局、1話目が一番面白かった。
1話目の感想
ウテナは途中で止めたけど、ピングドラムは好きなので当然観る。
ピンドラは終わってみれば奇抜な演出のメロドラマで、
全く哲学的なものは無いと思った。
ところが、もしかするとこれは哲学的なものを意識しているかもしれない。
適当に言えば、ボードリヤールの「透き通った悪」とか。
(ぼくはアニメ観るためにそんな面倒くさい本を読もうとは思わないけど)
読んだところでイメージの羅列がフラクタルだという骨格が
ポストモダンだなーというだけで物語のメッセージ性には無関係だろうし。
そもそもその辺から言えばメッセージ性なんて重要じゃないし。
意味の解体というか交換による変成みたいなところが肝かも知れない。
手を開けば「パー」で、握れば「グー」。
でも、「パー」から「グー」に移行する間の手の形に名前は無い。
つまり、世の中は言葉では言い表せないもののほうが多い。
そんな「パー」と「グー」の間を彷徨うようなイメージの奔流を垂れ流す作品になるかもしれない。
当然、分かりづらい。
それを「難解」と言う人は、そこに何らかの明確な正解を求める人だろう。
このアニメが向かないか、のめり込むか、どっちにでも転べるかもね。
一方で、これをそのまま一言では言い表すことの叶わない
「パー」と「グー」の間だなと感じる人は適当に連想ゲームみたいに楽しめるかもね。
後者のぼくとしては1話目はすごく面白かった。