この荒涼たる世の中で さんの感想・評価
3.7
物語 : 1.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
なぜ、なぜこうなってしまった・・・。
上の星の数で分かる通り、作画はとても細かく、いい出来で、夏のうだつような雰囲気をうまく醸し出している。
音楽も菅野よう子氏がうまく作り出し、作品にとてもマッチしている、これだけでサントラ買ってもいいかもしれない。opは疾走感があり、視聴者を期待させるようなものだ。edも、悲しげな曲でとてもいい。
声優も悪くはない。主人公の役もなかなか合っていると思う。
では、なぜ、このような評価なのか。
それは、ひとえに脚本のせいである。
そのほころびは初回から見えていた。ヒロインの少女が落下してくるところで受け止めるシーンや、スプレー缶で床に書き込むシーン。
何が言いたいか。そう、それはご都合主義だ。
第一話でも、これくらいあるが、第二話以降になるとそれが、次第に目に見えて大きくなってくる。たくさんありすぎて、言うのもつらい。
それによって、キャラの気持ちも分かりづらいものになってしまった。ヒロインは、学校や家庭で問題を抱えているが、それが話が進むにつれ、解決していったり、ヒロインがその問題に対しての前進も何も見られない。確かに、必ずしも進歩するわけではないにしても、なぜテロに協力する描写を入れて、家庭や学校で少しの反抗も描写で見せないのだろうと考えてしまった。
また、第三極(白髪の彼女)の登場も全11話という中では遅いものに思えてならなかった。面白味を出すためにそうするにしても、第五話の終わりからでは、遅い気がしてならない。
また、犯人とテログループの謎かけもあまり面白い内容と言えるものではなかった。正直言って、ほとんど一人の人物にまつわるものばかり。それも、ギリシャ神話ばっかりだ。もっと、他の神話から持ってきて、最終的に関連付けたほうがおもしろかったのではないだろうか?残念ながら、柴崎氏が賢いというところを見せたいのなら、もっと他の所から出題させてくれれば違うように感じたのだが・・・。
この作品は、物語以外はとてもよくできたものなのだが、肝心の物語があまりに残念すぎる・・・。監督が長い間構想を練ってきたという話を聞いたが、悲しかった。今度は、じっくりご都合主義がないように捨てて作品を作るか、もしくは、ギャグやコメディーも取り入れた作品作りを期待したい。