「スクライド(TVアニメ動画)」

総合得点
82.3
感想・評価
1367
棚に入れた
7314
ランキング
369
★★★★☆ 3.9 (1367)
物語
4.0
作画
3.7
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

kurosuke40 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

感情と理性の殴り合い

幼心に記憶に残っている数少ないアニメの1つ。

前半は熱く、後半は肩透かしを食らった感じがしたが、最後は痛快に終わった印象があった。

敢えて今解釈を付けるとしたら、野性的な感情代表の「カズマ」と合理的な理性代表の「劉鳳」の、どうしても相容れない感情と理性の殴り合いだろう。

{netabare}
前半はカズマの独壇場である。野性的であまりにも感情的なカズマが、己の根拠の無い自信を持って、またその自信を守るために奮闘する姿が熱い。私が覚えている台詞は「見下してるんじゃねええええ!」という叫び声だ。

しかし、カズマの前に理性が現れる。カズマは劉鳳にズタボロにされる。それでも、それでも根拠の無い自信を守るために、再度殴りかからずにはいられない、というのが前半のハイライトだ。

後半は、前半の熱さと期待して見ると肩透かしを食らった記憶がある。ただ覚えているのは、意気消沈したカズマと、人質がいるのに殴りかかっていったカズマに激怒する劉鳳だ。恐らく前半と対比である理性が出張ってきて、前半に夢中になった視聴層としては「俺の求めているモノと違う!」状態になっていたのだと思う。
それでも、ラスボス前には、どうしても感傷的になれない劉鳳に対して、「お前は今泣いていい」とカズマが諭すシーンもあり、二人は一致団結してラスボスを倒す。

普通なら手を取り合って分かり合うオチなのだろうが、しかしながらこのアニメは、分かっててもやっぱりお前とは絶対相容れないわー、と最後は(最終話を丸々使って)殴りあうのは痛快である。男の生き様というやつだろう。野暮だが意味を取り出すとすれば、感情と理性は絶対に相容れないが、弁証法的に互いに成長しあうという意味合いだろうか。
「論理がなければ必ず間違う。だが論理だけでは合うとは限らない」という言葉を思い出す。
{/netabare}

幼い私を含め、合理主義的な意味でのヒューマニズムに毒された層にはカズマの生き様は熱く眩しい。そういう層にはそれだけでも見る価値はあるのではないか。

投稿 : 2015/01/01
閲覧 : 341
サンキュー:

4

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