「甘城ブリリアントパーク(TVアニメ動画)」

総合得点
86.2
感想・評価
2740
棚に入れた
14747
ランキング
206
★★★★☆ 3.8 (2740)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

感謝しろよ、この俺が一肌も二肌も脱いでやるんだ。

ライトノベルのアニメ化。作家はあの京アニ伝説の作品「フルメタル・パニック?ふもっふ」と同じ賀東招二さん。私は例によって原作未読ですが、原作からはかなり改変されているようです。

閉園寸前の微妙なテーマパーク「甘城ブリリアントパーク」を、元天才子役の高校性、可児江西也(かにえせいや)が立て直す、というお話し。・・・と聞けば、ビジネスもの?経済アニメ?と思いきや、けっこう純粋なギャグ作品です。ということで、経営とか採算とか深く考えたら負け。

とは言っても、4話ぐらいまではギャグを挟みながら結構シリアスに展開していきます。で、5話以降は怒涛のギャグ。ラブコメというにはラブ要素ほとんどなし、コメだけ。毎回1話完結のコメディの連続です。最近の京アニにしてはちょっと珍しい作品ですかね。「ふもっふ」以来かも知れない。

この作品の特徴は何と言ってもキャラ設定。パークのキャストは着ぐるみではなく、本物の魔法の国メープルランドの住人、という設定。中でも3人のマスコットキャラのゲスっぷりは最高。

菓子の妖精モッフル。
パークの看板マスコットにしてキャストリーダー。外見はフルメタル・パニック?ふもっふに出てくるボン太くんそのまんまです。物語の中でも重要な位置を占める役柄。性格は好戦的で、戦闘力は只者ではないレベル。口癖はモッフ。

音楽の妖精マカロン。
バイオリンを弾くひつじさん。元不良高校生で子持ちバツイチ中年。離婚した妻から子の養育権を取り戻そうとしている。口癖は語尾にロン。

お花の妖精ティラミー。
可愛いピンクの子猫のスタイルだが、その実ストライクゾーンが超広い女好きセクハラおやじ。口癖は語尾にミー。

3人とも、テーマパークのマスコットのかわいいイメージとはおよそかけ離れたゲスおやじなのがいい。

京アニといえば女の子。メインヒロインである千斗いすず(せんといすず)も、その美人でナイスバディにもかかわらず、全く笑わない。メイプルランドの軍人である彼女、ツンデレとはまた違った、ある意味魅力的ないいキャラしてます。

アトラクション「エレメンタリオ」の4精霊も個性爆発。水の妖精ミュースは比較的ふつうの女の子ですが、火の妖精サーラマは火にもかかわらず冷めた性格でSNSへの発言がしょっちゅう炎上している。そういう意味で火の精霊。土の妖精コボリーは清楚でかわいい外見ですが、実はBL大好き腐女子。風の妖精シルフィーはいつも一人で勝手に遊んでて人の話をまったく聞かない。

主人公の可児江くんも、元芸能人だけあって華のある外見・・にもかかわらず、自分大好きナルシストで学校では友達いない。常に上から目線でえらそうにしゃべるのですが、不思議と嫌味がない。

その他にも、裏方職人や新人アルバイトたちも個性豊か。そんなこんなで、登場人物が異常に多いにも係わらず、外見や個性がみな違っているため、覚えられずにこんがらがることはありません。

そんな中で、私の一番のお気に入りのキャラは、アルバイトで中途採用された中城椎菜(しいな)。この子の声優さん千菅春香さんの演技、一所懸命がんばってる感、とっても好き。この声優さん、いつもこんなんか?と、他の出演作品を調べたら、SHIROBAKOの新人声優坂木しずか役もやっている。こちらの役柄とはずいぶん違っているので、この「がんばってる感」は役づくりだということが分かりました。グッジョブ。

作画はさすが京アニなのですが、京アニにしては・・・てところもありました。7話、プールの回。原作にはないアニメオリジナルストーリーで、水着サービス回なのに不自然な止め絵や、昭和アニメのような荒い動きが連発して残念。・・・いや、ひょっとしてこれ、狙ってやってるのかも。

私のお気に入り回は8話。鉄板の人物入れ替わりネタ。可児江くん役の声優、内山昂輝さんのウマさ爆発回。可児江くんのフリをする千斗いすずやモッフル、マカロン、ティラミーを可児江くんの声で演じ分けるという離れ業を披露してくれます。見ごたえ聴きごたえたっぷりの回。

ストーリー的には12話が最も盛り上がる回、実質的な最終回。つづく13話はとってつけたような完全なギャグ回。こういう構成は賛否両論があるでしょうね・・・私は好きですが。

こうやった狙いは、やはりこの作品は純粋にギャグ作品として、視聴者には大笑いして終わってほしたかったのだ、と思います。12話で終わっていたらシリアス色が強くなりすぎ、という判断だったのかもしれない。いや、ひょっとしたら当初からスケジュールがタイトで、1週ぐらい総集編を挟むことを事前に考えていたのか?

全体にギャグが前面に立つ作品ですが、女の子のちょっとしたしぐさの妖艶さはさすが京アニ。いすずや4精霊もかわいいし、中でも12話のラストシーンのラティファは感動的。絶賛前屈みです!

あと、時々出てくる通行人の母子の会話がシュールで抱腹絶倒ものです。以下、一例です。
{netabare}「ママ、あのおねえちゃん水色のストライプだったよ、基本装備だよ。」{/netabare}

投稿 : 2015/01/03
閲覧 : 290
サンキュー:

38

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