OZ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見事なまでにタイトル通り
前作『ヤマノススメ』が楽しめたので
引き続き観てみる事にした
2014夏アニメ~秋アニメに掛けての2クール作品
■見事なまでにタイトル通り■
1クールの5分アニメから2クールの15分アニメと
前回よりも時間が大幅に拡大した
ゆるふわアウトドアアニメ『ヤマノススメ セカンドシーズン』
前作は5分アニメであった為
OPとEDを除くと実質3分程度であり
1話があっという間に終わってしまうので
とにかく短かい印象を受けた。
まず1期と比べて変わった点は
尺が伸びた事によって
日常風景の描写が多くなり
メインキャラクターに厚みが増した事。
加えて前作では欠けていた
日常系作品に必要な"間"が
今作品ではしっかり表現されている。
この"間"が取り込まれている事により
キャラ同士の会話や日常生活
登山シーンにおいて
15分を駆け抜ける事なく
全体に余裕が生まれ
作品内の空気を感じさせてくれるのだ。
一方で余裕が生まれた反面
作品らしくなかった部分も。
登山シーンはしっかり押さえてあるものの
水着シーンやお風呂シーン等
ややあざとい面が強調されている。
1期が純粋な山登りだったのに対して
2期の萌え要素は
男性視聴者にはともかく
女性視聴者には賛否が分かれるかもしれない。
しかし 大きな欠点らしい欠点はないので
萌え要素が気にならなければ
現実味のある山登りは
とても魅力的に映るだろう。
また音楽面が全体を通して良く
特に後期OP「毎日コハルビヨリ」が
明るい気分で聴けてお気に入り。
サビ前の「目の前のその笑顔だったから」
"だったから"のラインで
音に合わせてワンカットずつ
コマ送りする演出が中でも印象に残った。
今作品は見事なまでに
タイトル通り『ヤマノススメ』である。
登山経験者も未経験者も
「山へ足を運びたくなる」
魅力を存分に伝えてくれる
正に山の薦めな作品となっている。
■あおいの成長■
わいわい山登りをしているだけかと思いきや
丁寧に描かれていたのが
"あおいの成長"である。
初めから観ていると分かるが
彼女は極めて内気な性格で
見ず知らずの人に
自ら話しかける事は
あり得ない性格だった。
そんなあおいが山登りを通して
成功と挫折を経験し
徐々に変化していく。
母の紹介で洋菓子店のバイトを始め
コミュニケーションが苦手だった彼女も
社交性が身に付いていく様が分かる。
第22話 「ともだちになろ?」では
谷川岳に一人で登山していた黒崎 ほのかに
「どんな写真撮ってるんですか?」と
自分から話しかけるまでに成長を遂げている。
インドアで人見知りするあおいが
山へ登り 知らない人と話す様になっていき
作品を通して"成長"を感じられるので
構成の上手さが実に巧みである。
■ハイライト■
振り返ってもっとも好きなエピソードは
第12話の「Dear My Friend」
富士山登頂失敗から
どことなくギクシャクしてしまったあおいとひなた
あおいの元に富士山へ登頂成功した
ひなたとここなから一通の手紙が届く
気持ちを切り替える為に
あおいの向かった先は天覧山
そう 始まりの山である。
最初に登った時は息切れをしていた彼女だが
今は軽々と登れ
富士山登頂は失敗したけれど
一歩ずつ成長している事に気付く
物思いにふけっていたら
頂上でバッタリひなたと出会い
何時も通りの仲に戻れた二人
悩みを抱えた二人が思い出の場所で出会う
非常に絆を感じられる場面だ。
そしてひなたは強引にあおいの手を引いた瞬間
1期OP曲「スタッカート・デイズ」が流れ
思わずグッときてしまった。
「行こう! スタッカートみたいに胸を叩くワクワク感
それに つきあってくれる気の合う Dear My Friend」の
歌詞にもある通り
第12話のサブタイトル「Dear My Friend」と掛けて
原点回帰に相応しい素晴らしい演出でした。
■あとがき■
予想以上に全24話を堪能出来ました。
5分アニメから15分アニメに伸びただけで
見違える様な面白さに変わったね。
1期も楽しめたけれど
やっぱり時間が短くて
もう少し観たい気持ちがあっただけに
充分応えてくれる内容だった。
阿澄 佳奈さん演じる
ひなたの前向きな明るさが可愛くて
終始萌えてました(笑)
2014秋アニメは
重ための作品を観ている事が多かったから
今作品で何度も癒されたよ。
今後 あおい達はどの山に登るのか?
そして富士山にもう一度挑戦するのか??
彼女達の活躍と共に
是非ともサードシーズンを
心待ちにしたい作品だね。
満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)