「のんのんびより(TVアニメ動画)」

総合得点
90.1
感想・評価
3400
棚に入れた
15516
ランキング
66
★★★★★ 4.1 (3400)
物語
4.0
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.3

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

各要素が高レベル

 原作は未読。
 個人的には凄い作品が現れたな、という印象が強い。
 女子キャラによる日常系コメディの場合、キャラの魅力、ハートウォーム・ほのぼの・癒しと
いったストーリー内容、コメディとしての面白さのいずれかに寄っている作品が多く、
バランスの良い作品もバランスを取るためにそれぞれがやや無難なものになっているものが
多いが、この作品に関してはバランスが良いうえ、それぞれがかなりの高レベルで表現されて
いることに驚かされた。

 メインモチーフである田舎暮らしもこの作品の大きな魅力の一つで、四季折々の自然や風物が
郷愁の念に駆られる。こののどかな田舎を描いた背景作画も良い。
 これに関しては一話の冒頭における登校シーンから見事に描かれており、リコーダーの
BGMが更に盛り上げてくれる。
 ただ昔から延々と続く情景と思いきや、空きの教室があったりするところなど、今の状況は
過疎化を受けてのものとも思え、今後は更に寂れていくのかなと思ったりも。

 話は一条 蛍が東京から登校してくるところから始まるが、ここでの蛍の経験は軽い
カルチャーショックを覚えるようなもので、視聴者の代表的役割をうまいこと果たしている。
 この作品、日常系に分類されるのだろうが、都会から来た蛍に取っては非日常的なものに
映るようで、そういう意味では異文化交流コメディ要素も含んでいるみたい。

 キャラも非常に良く立っている。
 宮内 れんげに関しては独特の感性がこの作品の笑いどころの重要なポイントになっている。
 回りが年上ばかりのためか、大人びた部分もあるが、年相応の部分もあり、この相反する
要素が同居しているのが彼女の魅力と言えそう。
 四話の夏休みのほのかとの出会いと別れ、十話の加賀山 楓との関係など、ハート
ウォーミング要員としても重要。

 蛍は小学生とは思えない容姿が特徴だが、中身は年相応でれんげとはまた違った意味で、
相反する要素が同居しているのが面白い。
 その容姿から美少女枠であり、越谷 小鞠への好意から百合枠でもある。更に都会から来た
存在として田舎暮らしに対するツッコミ役であったり、大人しい性格からいじられ役で
あったりとマルチプレイヤーといった印象。

 越谷 夏海は典型的ムードメーカーといった印象で、他作品でも挙げたがこういう自由奔放な
キャラがストーリーを動かしているのはこの作品でも同じ。
 照れもあるのか面と向かっては言わないけど、姉の小鞠や兄の卓が本当に
好きなんだろうなあという部分を随所に感じさせるのが可愛い。

 小鞠は典型的ないじられキャラで、低身長、大人ぶるところ、料理下手など、れんげとは違う
要素での笑いどころのポイントゲッターといった印象。
 蛍とは違ったタイプの美少女枠でもあるのかな。

 そして忘れてはいけないのが卓。結局、一言も発しなかったが、主要キャラが動的キャラ
だけに話さないことで逆に存在感を増してくる。
 粘土細工、工芸、ギター演奏など、変に才を見せるところも意外性があって面白い。

 主要キャラ以外にも一穂とひかげの宮内姉妹、駄菓子屋こと加賀山 楓、富士宮 このみなど、
魅力的なバイプレイヤーが多すぎる。

 演出に関してはとにかく間の使い方が絶妙にうまく、これで笑えるものに仕上がっている
部分がかなり多いように思える。
 特に長い溜めを使った間が多いのが印象的で、コメディ要素としては卓パート、シリアス
要素としてはほのかが去ったことを知ったれんげが泣くまでなどで効果的に使われている。

投稿 : 2014/12/30
閲覧 : 255
サンキュー:

13

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