animeneko さんの感想・評価
3.9
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
見事なキャラ作りの池袋を舞台にしたファンタジー青春群像劇
来年、第二期を3クールもやるらしい。ニコニコで第一期を一挙視聴。全24話
おもしろかったですね。
ファンタジー+自分探し+青春+ヤングギャング抗争劇+群像劇
といったところかな?
作画は独特でカワイイキャラデザだけど、マンガチックで、コミカル表現にはよかったかな。
脚本とか物語の構成がとてもうまくて全体的にアキがこないで引き込まれたね。
聖地は、東京・池袋か。
*ストーリー構成・脚本
見事な構成でアキさせない。
群像劇にありがちな、ブツギリストーリーの印象を抱かせない見事な構成で無駄なお話がない。
一貫、普通のキャラとみせかけて実はいろいろとウラがあるという設定が徐々に明らかになっていく過程を楽しめる。
複雑な筋立てだと思うけど、多数の伏線回収しかたは見事でツッコミをいれたくなるような所ってないね。
*キャラクター
普通これだけ人数を出演させると印象の薄いキャラや、無駄キャラがありそうなものだけどこのアニメにはいない。全員のキャラが濃くて、きちんとひとりひとり考えられている。この人は脇役かなとか、モブ?と思える人物でもあとから重要人物だったりして、無駄キャラなし。
*暴力表現
このアニメは暴力表現がきつい。バイオレンス表現苦手という人にはおすすめできない。毎回のようにケンカ、暴力、殴り合い、流血、ケガ、ナイフを振り回すシーン、はては拳銃による射殺シーンまで出てくる。
*ファンタジー成分
首なしライダーのセルティはおもしろいよね、馬の代わりにバイク載っている設定もかっこいいし、性格的にもカワイイ。
園原杏里(そのはら あんり)の罪歌・サイカによる支配システムはいまいちだけど、携帯によるつながりに対向する第三勢力として機能。
平和島静雄(へいわじま しずお)の超暴力表現、自販機を投げ飛ばしたり、人間を数十メートル投げたり、交通標識をぶっちぎって武器にしたりと、マンガみたいなギャグ暴力はファンタジーだけど笑い要素でも有った。
ファンタジー成分というかセルティは妖精という設定なのに、それ以外の部分の物語はリアルな表現ばかりで人物の性格もリアル重視、現実にいるかもしれないな、というレベルでキャラは行動していたのはおもしろい点だね。
*このアニメのテーマ性ってなんだろう?
ヤングギャングの抗争っていうと普通、青春を描くとかになるけど、このアニメはいろいろなヒネリがある。セルティにせよ、自分の首を探すという自分探しで、前半、「首がなくったっていいじゃないか」とか納得するあたり、なにやら共感するものがある。
ネットでのつながりを描いているのもこのアニメの特徴で、リアルで知り合っている人たちなのに、ネットでは知らない相手としてチャットしてたり、携帯メールで集団行動したりと、モブフラッシュの先駆け的ドラマだな。
竜ヶ峰帝人(りゅうがみね みかど)が池袋の高校に進学した理由も、非日常的な生活へのあこがれということだけど、これもまた今まで過ごした日常には満足できていないための自分探しということなのだろうか。
黒人すし職人のサイモンが語っていた「ケンカは良くないね」がテーマというかこのアニメの主張みたいには見えた。サイモンをはじめ、暴力にあふれた街にいるのに妙に人間味があるやさしい人物が多い物語だね。
アンリは、家庭内でのトラウマからか人を愛せない性格となったがはたして彼女に癒やしや人を愛せるようになる未来はあるのだろうか?
*このアニメで人は死んでいるのかな?
普通なら何人も死んでないとおかしい表現がいっぱいあった。しかし、主要キャラは1人も死んでない。自殺決行した女子高生も救出したし、最後はやさしい展開をするアニメだった。
ヤングギャング抗争もあれだけ多人数となれば死人は出るし、殺人目的で行動している人たくさんいたけどさほど死人出てないのか?切り裂き事件の際はどう見ても殺された人たくさんいないとおかしいはずだけど生死はっきりしないかな。アンリの両親ははっきり殺されたかな?
モブは殺されるけど、主要人物はめったに死なないストーリーということかな。
ラストはやさしく展開して、カップルができたりして、後味は悪くないアニメであった。