雷撃隊 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
80年代の「リアル・ロボット乱造」を思い出した
なんか最近「まどか」の影響を受けて戦闘少女&鬱という展開がやたらと増えた。なんか80年代にガンダムの影響を受けたリアル・ロボットがやたらと大量生産されたのを思い出す。ガンダムはジャンルの先入観を逆手に取ったアンチ・テーゼだ。
ガンダムの悪い影響の1つに鬱エンド=リアルでアダルト路線というパターンが妙に根付いたように思える。80年代~90年代前半あたりはやたらと不幸エンドが哲学的と持て囃されていた。本作はあの再来のように思えた。
僕が「まどか」をリアルだど感じたのはQBとまどか達の関係が官僚的な経営者と一般労働者の関係のように思えたからだが、二番煎じ以後の作品には一定レベルのリアリズムというか現実の出来事に喩えられるような芯が無い。
富野由悠季や虚淵玄等鬱で知られるアニメ作家がそれなりにリアルに感じられるのは「芯」がしっかりしているからだろう。
本作の感想は「鬱にする必要あったのか?」である。序盤のノリのまま日常+戦闘でいっていれば傑作とまではいかないまでも良作だったのではなかろうか?
バックの組織である大社との確執は通過儀礼だろうけど秘匿情報の開示がやや強引だ。基礎は押さえてあるものの安易に展開が読めてしまうので衝撃度が低い。
神道をモチーフにした戦闘少女ものというコンセプトは悪くない。作画も安定していたし戦闘シーンもなかなか良かった。変身コスも悪くないしなんか惜しい。でも萌えキャラに東郷とか乃木とか名づけて軍歌歌わせたり国防とか言わせるのはいい加減ウンザリしてくる。やりすぎると白けるし硬、軟のけじめが無いものが増えすぎるのは如何なものか・・・
キャラデザはどこかで見たことあると思ったらソード・アート・オンラインの人だったんですねー。
総合評価
作画は高レベル、コンセプトは良し。しかしながら踏み込みが一歩足りない。まあ全員生還したので良しとしよう。そのうち1クール一気見してみよう。
もう一つ、パターン化の連鎖について・・・
昔、実写映画の世界では任侠ヤクザ映画のアンチ・テーゼとして「仁義なき戦い」が公開された。しかし仁義なき戦いも延々と続編が作られて「実録系ヤクザ映画」というジャンルに吸収された。アニメではやはりガンダムが「リアル・ロボット」というジャンルに吸収された。「まどか」が敷いたレールもこのままじゃパターン化するのも時間の問題だろう。いい加減アニメに限らずパターン化の悪循環はなんとかならないものだろうか・・・