STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
元の鞘に収まる?
原作は未プレイ。
後半戦スタートと言うことでいよいよ話が動き出す。
ここからの藤井 冬弥はもうやりたい放題といった感じで、色んな娘に手を出しまくり。
前編にも見られた文字による心情表現もやけに言い訳じみているような。
しかし、チャラい感じで遊んでいるのではなく、森川 由綺に会えない寂しさや父を亡くした
悲しみを紛らわすためだったり、相手の思いに応えるためだったりするのが、返って始末悪い。
この冬弥の行動が激しくなるほど、それに反比例するかのように由綺の一途さ、健気さが
際立ってくる。
この頃の冬弥と由綺は、互いに留守電にメッセージを録音するだけになっており、この辺の
演出は上手いことすれ違いを表現しているなあと。
この冬弥君の行動以外にも、彼の父の死、緒方 英二の絵画に寄せる情熱からくる狂気じみた
展開、この英二と神崎 樹の芸能プロダクション同士の確執、樹の娘の松山 めのうの登場、
七瀬 彰と澤倉 美咲の恋愛、田丸の暗躍などなど、話はどんどん複雑化。
ただ、これらのピース一つ一つがあまり話の面白さにつながっていない感じで、雰囲気盛り
上げ役で終わってしまっているみたい。
冬弥の色々な娘達との関係にしてもそれが互いに絡むこともあまり無く、最終的にはまた
由綺との日々を過ごしている描写から元の鞘に収まったみたいだが、特に劇的な変遷を経てと
いうわけでもなく、大山鳴動して鼠一匹の感は拭えない。
ここからは想像だけど、原作ゲームの各ルートに存在するイベントを1本のストーリーに
ぶち込んでしまったためかなあ。
色んなタイプのヒロインが見られるのは賑やかで楽しかったが、ストーリー展開的には登場
キャラを絞り込んだ方が良かったみたい。
前編でもそうだったが会話の言い回しが独特の感がある。
ラノベ原作作品でも独特の言い回しがあるが、そういったラノベ系の言い回しとは異なり、
舞台劇や文学作品に見られるような感じ。特に冬弥と七瀬の会話にその辺が際立つような。