「攻殻機動隊S.A.C 2nd GIG(TVアニメ動画)」

総合得点
90.4
感想・評価
2334
棚に入れた
12410
ランキング
53
★★★★★ 4.3 (2334)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.3
音楽
4.3
キャラ
4.4

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ネタバレ

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

SFを未来の予想図として描いた押井守

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。


「この国を取り巻く情勢を、集合体となりし個が救うのだ。目覚めろ!名も無きもの達よ。そして、システムの一部たれ!」
 個別の11人とは、監督側からの意図としては一体何なのかである。ストーリー上での個別の11人は語られても、監督からした個別の11人は語られない。それは反プロバガンタ集団ではないのか?
 プロバガンタとは、単純に言えば思想誘導である。
 wikiの文章を借りるとこうなる。
1.レッテル貼り - 攻撃対象となる人や集団、国、民族にネガティブなイメージを押し付ける(恐怖に訴える論証)。
2.華麗な言葉による普遍化 - 対象となる人物や集団に、多くの人が普遍的価値を認めているような価値と認知度を植え付ける。
3.転移 - 多くの人が認めやすい権威を味方につける事で、自らの考えを正当化する試み。
4.証言利用 - 「信憑性がある」とされる人に語らせる事で、自らの主張に説得性を高めようとする(権威に訴える論証)。
5.平凡化 - コミュニケーションの送り手が受け手と同じような立場にあると思わせ、親近感を持たせようとする。
6.カードスタッキング - 自らの主張に都合のいい事柄を強調し、悪い事柄を隠蔽する。本来はトランプの「イカサマ」の意。情報操作が典型的例。マスコミ統制。
7.バンドワゴン - その事柄が世の中の権勢であるように宣伝する。人間は本能的に集団から疎外される事を恐れる性質があり、自らの主張が世の中の権勢であると錯覚させる事で引きつける事が出来る。(衆人に訴える論証)

 作中のしがないヘリのパイロットギノにはこう語らせている。
『政治家・大企業・軍需の三つは大きな資金を国民から合法的に搾取している』
『テレビ・新聞・ラジオの三大ネットワークがもはや真実を伝える媒体ではなく、改竄された情報を垂れ流し、無垢な国民から金を巻き上げる存在』

 そして、内偵調査をしていたギノを見て、少佐からは、『哀れな程真実を知らないプロレタリア』
 と口にされているのだ。
 第2話 飽食の僕、このタイトルからもわかるとおり、ギノ自身は飽食している側の人間ではなく、搾取されつつも奉仕しているに過ぎない哀れなプロレタリアである。
 プロレタリアとは自らの労働力をブルジョアに売って生計を立てる者の意味がある。
 この世の中プロレタリア以外の人間がごく少数なのも事実だ。視聴者の大半もまたそうだろう。
 いろいろと不平を並べるが、プロレタリア視聴者諸君、あなた方は哀れなほど真実を知らないプロレタリアだ、といっているようにしか思えない。とても痛烈な批判ではないか。

 世の中に不満があるなら自分を変えろ
 其れが嫌なら耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮せ

 この言葉は、主人公草薙素子、通称少佐がいった言葉だが、それは押井監督自身にも当てはまることである。通常の合法的手段で民衆に訴えても声は届かず、押井流にいえば、思考を並列化できない。また、非合法な手段に訴えれば注目は集めるが、それは非難にさらされる。周囲に傷つけ迷惑をかける。 そんなやり方なら、そんな自分を変えろ。それが嫌なら、耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせということだ。国際的なテロリストに向けてのメッセージでもあるのだろう。
 笑い男の模倣者の一人、アオイもサリンジャーの小説を引用している。

 僕は耳と眼を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。が、ならざるべきか?

 不平不満を世の中に「愚痴」としていうだけならそれは、打開策を持たない無力なものに過ぎない。世の中を変えるか自分を変えるかの単純な二者択一ではなく、傍観者たる自身を変えていけるのもまた、自分を変えることに繋がるのだということを明記しておきたい。

 こちらはクゼヒデオの言
「一度立ったからには、その目的を果たさずして身を引く事は許されない。だが目的無く立てば、どの様な思想も容易に敗北し、挫折する。我は動機ある者、個別の11人」
 アオイは目的を果たせずに身を引いてしまった。しかし、動機ある者としては、一度立ったからには、目的が達成されるまで身を引かない、身を引けば世の中に対しての敗北、挫折するといっているのだ。歴史は繰り返される。良い方向に変えていこうとしても、それに対抗する影の勢力は常に大きい、そして無くなることはない。だからこそ、抵抗する側も常に存在していなくてはならないのだ。そうでなければ、影の勢力そのもののために、去勢された羊のごとく、従順な消費者にされてしまうだろう。影の勢力とは何なのか、それは旧都心新宿の大深度地下に隠蔽されていた原発での事故が起きた際、隠蔽するために情報をリークしようとした難民を事故にみせかけて殺害した者であり、利権に絡んで改竄された情報を垂れ流し、無垢な国民から金を巻き上げるマスコミであり、財政危機に陥れば他国の懐をあてにする国家であり、日本国民自体が知らぬところで自国の植民地化に協力して利益を貪る政治家であり、他国にある資源を手に入れるために国連軍を動かす米帝であり、難民を食い物にしているブロジョワであり、一握りの先進国がグローバルな意志決定権を独占する事で後進国を植民地化してしまうことである。

 クゼのこの言葉は、日本国民に対する押井監督のメッセージととらえている。
「国民は国民でシステムからの重大な搾取に気付きもせず、口当たりの良い受け入れ易い情報のみを摂取している。何ていんちきな社会だ。俺はその事を啓蒙していきたい」
 社会システムから搾取されていることそのものに気づかない日本国民。口当たりの良い受け入れ易い情報のみを摂取している。これは国民がただ娯楽番組ばかりをDVDなどに撮り溜めて摂取している。隠された情報、受け入れがたい事実から目をそらしている。何ていんちきな社会だ。といっているように聞こえるのである。プレーステーション3の録画記録ベストを見ると、20位くらいまでアニメしかなかったという話をした人がいた。その人いわく、どこへいく日本である。カネになるかどうかでしか判断しないマスコミと製作会社。搾取は延々と隠蔽されるいんちきな社会なのだ。体制側のプロバガンタや社会システムを妄信し、されたいように操られる去勢された羊。哀れな程真実を知らないプロレタリア。それがいまの日本国民なのだろう。視聴者には社会システムの中で飼い馴らされる羊になるのではなく、千匹の羊を率いる狼になってほしかったのではないか? それが個別主義者ではないのか? ロウとは狼であり、クゼの別称である。
 押井監督は、現実の写し絵としてのアニメを語っていた。つまりアニメを見て、そこから体制側が隠蔽している現実を知ってほしかったのだろう。しかしアニメをアニメとしか見ない人々ばかりになっていた。
木を見て森を見ずの人々が、監督の手法をさまざまな理由から批判してきた。その人たちは木を見るだけでなく森は見えていたのか?
 北朝鮮と韓国は未だ冷戦状態である。アニメだからといって、南北を統一させたり、人民軍が市民を虐殺するシーンを演出したりすることが、他の監督にできるだろうか? 一握りの先進国がグローバルな支配権を独占していることを明るみにするような題材にしたアニメがどこにあっただろう? 体制側の動向を気にして自主規制をすることもない押井監督は口だけの人で戦っていないのか?

 クゼは少佐との直接対話の最中、興味深い話をしている。
「俺を最もがっかりさせたのは人々の無責任さだった。自分では何も生み出す事無く何も理解していないのに、自分にとって都合の良い情報を見つけると逸早くそれを取り込み踊らされてしまう集団。ネットと言うインフラを食いつぶす動機無き行為が、どんな無責任な結果をもたらそうとも何の責任も感じない者達。俺の革命とはそういった人間への復讐でもある」
 クゼ自身は自衛軍の軍人であった過去があり、朝鮮半島・新義州にPKFとして派兵されている。現実での朝鮮は、北朝鮮と大韓民国、通称韓国に分かれている。過去に二国間での戦争があり、冷戦状態が続いている。攻殻の世界ではその先に再び戦争があった。このストーリー上には情報はないが、攻殻の世界では、朝鮮は一つに統一されている。つまり、どちらかがどちらかの国に吸収されたといっていいだろう。では敗れた国の人々はどうなったのか。どうやらそれが、難民の主な出所ということになるだろう。難民がアジア難民と表現されているのも、攻殻の世界情勢の理解を難解にさせている原因の一つだ。朝鮮からの難民だけでなく、日本が受け入れしているために、それを頼りに集まってくる難民そのものが多岐に渡るようになったとみてよい。最低でも、クゼがいう好みの情報を摂取して踊らされた人々とは朝鮮難民のことを指している。その結果は国そのものの消滅。滅んでしまったということになる。クゼはそれを無責任といって落胆していた。
『統一によって国が滅んだ』この言葉は、国際情勢、特に二つの国の神経質な問題であることから語られないのだろう。この一言があれば、S.A.C 2nd GIGはまだ理解される範疇に収まったのではないか。クゼのグローバルな視点で語らせることにより、特定の国家、北朝鮮と韓国からの反発をかわす狙いがあったものと思われる。しかし、元凶を辿れば、それは無責任な国民が、自分にとって都合の良い情報を見つけると逸早くそれを取り込み踊らされていたからだといえる。もっといえば、攻殻の世界では、統一された韓国だけでなく、他国でも同じような状況があったと考えていいだろう。そのため表現を一国に留めなかった。第三次世界大戦・第四次非核対戦をくぐりぬけたというのだから、事態が世界に波及していたことは想像に難くない。
 S.A.C 2nd GIG全体の、これまでの主要人物の台詞を一つの文章としてまとめると、こういう言葉になる。
『プロバガンタなどによる情報操作のため真実を知らされない哀れなプロレタリア。テレビ・新聞・ラジオの三大ネットワークがもはや真実を伝える媒体ではなく、改竄された情報を垂れ流し、無垢な国民から金を巻き上げる存在でしかない。国民はシステムからの重大な搾取に気付きもせず、口当たりの良い受け入れ易い情報のみを摂取している。何ていんちきな社会だ。その事を啓蒙していきたい。自分にとって都合の良い情報を見つけると逸早くそれを取り込み、踊らされてしまう国民たち。ネットと言うインフラを食いつぶす動機無き行為が、亡国という無責任な結果をもたらそうとも無自覚だ。低きに流れる者達であると』

 アニメは消費という名のクリエイト行為ではないか?
 英雄をプロデュースすることにしたゴーダ。もとは自身が英雄になりたかったがカリスマを望んだところで得られなかった。ゴーダの顔にしても、ただ事故にあっただけなのに、自分を特別扱いしようとしている。使命を得たとは単なる思い込みの産物だろう。その中で妄想された英雄像。これを、監督として考えるとわかる。ネットに引きこもった子供がそのまま成長したゴーダ。妄想された英雄像。英雄をプロデュースするとは、アニメ監督からしたヒーローをプロデュースすることではないだろうか?神山監督は、表面で流れている事象とは別に裏側にも流れている構造を持った演出や、政治的なテーマをアニメに持ち込む手法を、押井守から受け継いだという。その象徴は童貞に聞こえる。ネットに引きこもった子供向け作品。本物の英雄たりえず、番組が終われば忘却の彼方へと消えてしまう。まさしく消費という名のクリエイト行為だ。年間200本以上のアニメ作品が消費されていく。個人的にはそのようなメッセージに思えた。では、単なる消費でない真に迫る英雄像とは……そうした意図を持って作られた英雄がクゼではないだろうか。
 作中のバトーはいう。
「所詮個人的な思い付きを他人に強要しているだけでは他人の心を打つ事はできねえ。そこには善意でも悪意でもいい、何かしら確固たる信念の様な物が無い限り天才とか英雄と呼ばれる存在にはなれねえ」
 これは、訴える側、啓蒙する側がどのようにするべきかの指針をいっているのだろう。


 クゼの求める理想と革命とは一体何だったのか?
 荒巻洋輔とクゼの会話から、その片鱗はうかがうことができる。
洋輔「自分の義務と権利を秤にかけて権利に先に錘を乗せなくば、社会の規則に従いしも自身を失う事無し」
クゼ「はい。その普遍的な思想がとても口当たりの良い物に感じられました。しかしその難民も、一度ネットを介しヒエラルキーの上層の存在を知ると、その事を忘れ皆低きに流れていってしまう。力を持てばそれを誇示したくなる。武器を持てば一度は使ってみたくなるのと同様に」
 これは結局、力を以って事を起こせば、これまで圧制してきた体制側の人間の行うことと何ら代わり映えがなくなってしまうことを意味していると筆者は捉えた。
 つまり、ヒエラルキー(権力ピラミッドの上層)のしているやり方の否定であろう。
洋輔「上部構造?それはヒエラルキーとは違うのか?」
クゼ「ええ、違います。今この地上を覆い尽くさんとしているネットワークは、既に下部構造と化し本来の目的を終え別儀を創造している。そこからは不可分ながら土台たる下部構造に対し確実に新義ある反作用を及ぼす存在となり上部構造へとシフトする。それが俺の考える革命の定義です」

 これらの台詞は全工程のまとめにかかっている。クゼと少佐の会話によって明らかになる。
クゼ「俺は半島での出来事で人生を達観した。矛盾した秩序、強者による搾取、腐敗した構造。だが俺を最もがっかりさせたのは人々の無責任さだった。自分では何も生み出す事無く何も理解していないのに、自分にとって都合の良い情報を見つけると逸早くそれを取り込み踊らされてしまう集団。ネットと言うインフラを食いつぶす動機無き行為が、どんな無責任な結果をもたらそうとも何の責任も感じない者達。俺の革命とはそういった人間への復讐でもある」
(中略)
少佐「お前の言う革命とは何だ?」
クゼ「人の、上部構造への移行。硬化したシステムを捨て、人とネットとが融合すると言う事だ」
 クゼのいう復讐と革命の二つは同じ難民に向けられている。革命とは本来難民を救うためのもので、復讐は難民に対してのものである。意見を聞いていると矛盾しているように思える。
クゼ「俺に結線している者の記憶とゴーストをネット上に運び去る。核が投下されればそれで彼等も肉体を喪失するが強制的な進化を遂げる可能性が手に入る」
少佐「彼等がネット上で個を特定し続けられる可能性は?」
クゼ「それは分からない。だが先駆者として下部構造に残った人間に対し絶えず上部構造を意識させ、啓発していく存在にはなれるだろう。太古の昔、人類が霊的な存在に対し尊敬や畏怖を感じてきた様にな」
少佐「それがお前を落胆させた者達への復讐と救済か?」
クゼ「俺は革命と信じているがな。お前も見た所全身義体の様だな。なら肉体と精神の不一致と言う疑心暗鬼に悩まされた経験は少なくはあるまい。どうだ、俺と一緒に来るか?」

 クゼは権力ピラミッド構造の指導者となろうとはしていなかった。少佐は作中、独裁者になる事で世界を平和にできると本気で考えているからだいっていたがそれは間違っていたことになる。
 難民等への復讐とは、肉体を捨てさせネットワークにゴーストと記憶を移住させ、無責任から生じた過ちを人々に説いていかせるようにすることだった。
 だがその行為は、権力ピラミッド構造そのものからの脱却であり、圧制からの解放となる。そして、人々は権力ピラミッドの最上層部の指導者に従うのではなく、純粋な意識となった難民たちや、クゼ自身を指導者として自ら動いていく。
 権力ピラミッド構造による、体制側の我田引水な搾取と隠蔽と思想誘導、圧制の政治から、肉体や欲望から切り離された無搾取的な、啓蒙と純粋な思想による権力でない政治を目指した。
 太古の昔、人類が霊的な存在に対し尊敬や畏怖を感じてきた様に、ネットの霊となった人々の啓蒙による政治を体現させることがクゼの目的だったのだ。
 政治形態として、権力から啓蒙への移行を求めての革命運動だったことになる。
 それは地上を覆い尽くさんとしているネットワークがあり、ゴーストがネットの海で暮らせるほどの容量を得たからこそ可能な思想、発想である。クゼは幼少時より義体であることによる違和感を強く感じていた。結果として、肉体を消去してネットに意識だけを定着させることを思いついたのではないか。
 幼少時、飛行機事故で生き残ったクゼと少佐は同じ違和感があった。それが理由でクゼの提案に少佐は同意したと思われる。草迷宮はラストへの伏線だったというのが筆者の見立てである。
 これまでの体制による根本的問題を、SFだからこそ表現できる新たな政治形態として、解決策を提示したといえる。

 この後はどうなったのか。
 バトーがクゼを捕らえた時には既にゴーストダビングならぬ、ゴーストそのものをネットに移動させるためのゴーストムーブを決行しはじめていたと推察している。少佐はヘリの中でクゼとネット結線していたのだろう。人形のようになったクゼに驚いた表情を向けていた。

 筆者の個人的な見解としては、GHOST IN THE SHELLが時間系列として続編になっていると考えている。少佐の失踪。そしてイノセンスでの事件介入。SSSで少佐は帰還する。

 日本という国は独立していない依存国家である。
 茅葺「一身独立して、一国独立す。私は初めからそう考えて行動してきたつもりです。茅葺政権はこれ迄通り、米帝、米露連合、中国、そしてアジア、EU両諸国とも同様の距離を保ったまま、独自の判断で動く国連協調路線を模索していくつもりです」
 これは攻殻の世界の出来事である。つまり現実の日本はまだ一国として独立していないという事実を表している。それどころか、一身独立すらしていない。人々は口当たりの良い情報のみを摂取し、本人たちでさえ知らぬ間に搾取されているに過ぎない哀れなプロレタリアなのだ。そして、その先に亡国が待っていようとも、そのことに無自覚なのである。
 現実の日本ではTPP問題が浮上してきている。ISD条項とラチェット規定がある。これが成立すれば、日本の政府や法律がどうであろうとTPPが優先される。条約なので、ISD条項が国内法よりも上位になる。国内の司法機関が関わる余地はなく、国連の仲裁機関で審査され、決定に不服があっても覆らない。一審で確定する。従わなければ制裁を受ける可能性があるのだ。
 ラチェット(ratchet)は「つめ車」とも訳される語で、つめが引っかかることで逆回転を防止する構造になっている装置を指す。経済連携協定(EPA)などにおいては、自由化や解放に結びつく法改正は認められるが、規制の強化に結びつく改正は認められない、ということになる。
 特定の一方向へむけた変更のみ許容され、逆行する方向への変更は認められない、という内容の規定。
 米国は「米国の声明は野田首相とオバマ大統領の会話に基づいて作成された」と述べ、声明を訂正する考えはないと強行している。
 あらゆる日本の法律が無効化され、植民地化を求める米帝や中国の思うようになる法律が施行されようとしている中で、民衆は口当たりの良い情報のみを摂取し続けているのだ。それが原因で亡国したとしても、無自覚・無責任のままなのだ。

 ニュース添書き。
 衆院は17日の本会議で、難民保護への国を挙げた取り組みをうたった決議を全会一致で採択した。
 今年が国連での難民条約採択から60年、日本の同条約加盟から30年の節目に当たるのに合わせた。
 決議文は「日本は国内における包括的な庇護(ひご)制度の確立、第三国定住プログラムのさらなる充実にまい進する」と強調。「難民問題の恒久的な解決と難民保護の質的向上に向け、アジア、世界で主導的な役割を担う」と決意を示した。

 以下攻殻の世界
「攻殻機動隊の日本では第三次非核大戦が勃発しており、戦後に流れ込んだ外国人を受け入れ、安価な労働力として使っていた。
 彼らは実質的な難民であった。
 戦後の復興期にこそ、安価な労働力に需要があったものの、国内への失業率は年々増加し、税率も高騰する一方である。
 加えて、その血税が、流動の一途をたどる難民政策に、無闇に使われているって現状が揃えば、痺れを切らした不穏分子が登場してもおかしくない。
 この国が国際社会で善人を演じるために、救助問題で行ってきたバーター(物々交換などの意味)の代償に払わされたのは、結局、納税者である。
 実質的には難民も納税者の一部だが、労働を奪いかねない者たちを支えるための重税という認識が流布しはじめた」

 水は低きに流れ、人もまた低きに流れる。
 筆者もまた低きに流れる一人として、この言葉を忘れず、自覚していきたい。

 難しい話を延々としたが、次は一ファンとして、Q&Aを製作した。回答はメールで行う……としていたが、気付くとメールが無制限で送受信できなくなっている!?
 何かしら他の方法でお願いしたい(汗)

 Q1 難易度 かんたん。
 第9話「絶望という名の希望」
 難民の排除が国民の総意というストーリー展開を見せるが、
 ゴーダの意図の読み取りにおいて、
少佐「バトーの読み、残念ながら正解よ。個別の11人は、恐らくゴーダのプロデュースしたインディビジュアリスト。その目的は難民の蜂起。落とし所は、差し詰めこの国に彼等の自治区を作り出すって事じゃないかしら」
 といっている。
 日本国民の総意の代弁というストーリー展開と、少佐の読みの間に矛盾点がある。
 それは何か単純に答えよ。
 視聴しなくてもわかる難易度。

Q2 難易度 ちょっとだけ難しい。検索すればすぐ出てくる。
 第26話 憂国への帰還 ENDLESS ∞ GIG
 米軍隊員「ですが、もし機体に81の軍旗のマークがあったら・・・」
 何を表している?

Q3 難易度 ちょっとだけ難しい。視聴しないとわからない。
 第8話 「素食の晩餐 FAKE FOOD」
 この題名の意図している意味は?
 日本を素食の晩餐に出てくる主題のキーワードを使って表現すると?

Q4 難易度 単に視聴するだけではわからない。
 第5話「動機ある者たち」
 クゼのいう「我が闘争の聖典、個別の11人、あれが何故素晴らしいか」
 一般人に理解できるよう、なるべく難しい言葉使わず、文語体でない口語体という形で説明せよ。


 追記
 レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
 運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2012/06/08
閲覧 : 876
サンキュー:

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