退会済のユーザー さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
あの花という作品を僕は大好きなのだけど、本作のことは正直、好きになれない。
TV本編の内容を回想という体で振り返りつつ、新規カットを含めた後日譚という構成で本作は作られている。
……が、その出来は中途半端と言わざるをえない。
幼少時の新規カットがあったのは嬉しい。とはいえ、新規カット含めた90分で、未見の人が本作の内容を理解するのは中々難しいだろう。未見の人にとっては、おとなしくTV本編のシーンを切り貼りして再構成していればいいものを、後日譚という体で各キャラがモノローグを入れてくるのが邪魔で仕方ない。観てる側としては【その夏】を観たいのに、作中のキャラ達は【あの夏】として語ってくるのだ。
キャラと視聴する側の間で微妙に齟齬がある状態であのTV本編ラストのかくれんぼを見せられても、そりゃあ温度差が生まれてきても仕方のないことだろなぁ……。
各キャラが今、どういう心境なのかは分かりやすいのだけど、そもそも物語の根幹である、めんまの死をキッカケにどういう心境を抱えてバラバラになったのかが、いまいち伝わってこない。
もっと言えば、めんまの死という設定が、未見の人には相当分かりにくいと思う。これって、どうなんだろ……TV本編からのファンからすれば「未見の人にも分かりやすい構成のはず」とついつい考えがちだけど、多分これ、未見の人にとっては意味不明な内容になっている。
で、じゃあ本作はTV本編を観た人に向けた作品かというと、そうでもない。
本作で描かれた後日譚は、TV本編のエンディングの延長線上でしかない。
・じんたんはバイトと学業をそこそこ両立させている
・あなるはじんたんに再び告白する機会を探ってる
・一年に一回、皆でめんまとの想い出に浸る
大まかに言えば、この三点。
……うん、知ってた。
この三点とも、ぶっちゃけわざわざ描かなくていいことというか、むしろ描かずに視聴者一人一人に想像させたままでよかったんじゃないの? って思っちゃうんだよな。
これぐらいなら、大体の視聴者が想像してた範疇の内容だろう。
これならTV本編の総集編として制作しておくか、いっそのことTV本編から5年か10年後かにして、めんまの生まれ変わりと出逢いを果たすとか、そういう内容でよかったんじゃないだろうか。あからさまに泣きにいかせる内容になること間違い無しだけど、本作の美点はそこなんだし、そこ推しでも全然良かったと思う。さわやかな青春モノってタイプの作品でもないのだし。
超平和バスターズの平和的なやり取りという、TV本編では見られなかった貴重なシーンが描かれてることを考慮しても、そもそも映画として成り立っていないので、申し訳ないけど酷評で。