らしたー さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これ以上ないくらいの明朗会計さ
冒頭数分の描き方だけで、少なくとも駄作ではないなと直感できる類の作品ってあると思う。たぶんこれもそのひとつ。
主人公が戦国時代にやってきた背景説明には1秒たりとも尺を割かずに、とりあえず可愛い姫武将たちをずらずらと紹介しはじめた流れを見て、なんて迷いがないんだろうと感心もしたし、ある意味では、信頼もした。
売りは姫武将たちの可愛さ。それ以外にない。というかどうでもいい。
歴史好きがどうとか、そんなの関係ない。麻雀知らなくても咲が面白いと思えるのと同じあれと一緒。わんさと出てくる美少女の中から好きな子をどれだけ探せるかという、これ以上ないくらいの明朗会計アニメである。
言っちゃなんだが話が面白いと感じたことは一度もなく、私にとっての作中最高シーンは今川義元が「わらわはお飾り将軍さま~♪」と歌ったあのくだり。あれがピークであった。信奈様ときたら、義元さんご本人の前で、お飾りにするならこのくらい能天気な方がいいわとか言っちゃうんだぜ。で、せっかく歌を披露したのにみんなスルー。なんて牧歌的なんだ。
ていうかなんかいいよこれ、やりたいことが明快で。ブレてなくて。
可愛い姫武将たちを眺めて楽しむにあたって、邪魔になりそうな要素は徹底的に排除してるもの。へたなグロ描写とかもないし、基本みんないい人だし、話が横道にそれずにサクサク進むし。
アニメなんて、何かひとつ武器になるものがあれば十分で、その武器が消費者に刺さると見込んだならば、あとはいかにそれを邪魔しないように、大胆に「そぎ落とし」ができるかどうかじゃないかな。1クール作品が増えてきたここ最近、余計にそう思う。
冒頭数分の描写でそれを宣言し、実際最後までやり通した本作は実に立派であるかと。