animeneko さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
青春+ギャグ+泣かせで押してくる作品
4年前の作品だけど、Keyの新作を2015年に放映するということでニコニコ放送一挙視聴。来年からTokyo-MXでの再放送もあり。
原作・脚本は有名なKeyの麻枝准。この人は「リトルバスターズ」も作っているのね。どうりで雰囲気やノリが似ていた。Wikiによると「泣きゲー」のパイオニアといわれる人らしい。つまり泣かせにくるわけね。
舞台設定が、青春に悔いを残したものだけがくる死後の世界の学校で、「天使」と呼ばれる生徒と戦いながら、いるかどうかわからない神と戦うというお話。
第一話の舞台設定やら、セリフでおおよそ、ラストまで予想できるし、天使が実は普通の人間で敵にならないだろとか、ラストとか予想がツイちゃうのはまあ、ネタバれ覚悟の脚本だったんだろうね。それでもギャグとシリアスの配分が絶妙で、十分笑える。しらけそうな所はギャグにしていたのかな。
リトルバスターズでもそうだったけど、生前の心残りとか心の傷を癒していくことで成仏していくサマを描くことで観客を泣かせるのはKey(麻枝准)の定番の泣かせのテクニックなのかな?普通にやったらしらけそうだけど、このアニメは脚本がうまかった。脚本的にはラストまできちんと考えてから最初の一話のお話を描いているから破綻がなくキチンと伏線を回収できていたか。見事なお話つくりだったかな。水着回も温泉回もなかったし無駄なエピソードは少なかった。
Key(麻枝准)ファンというのがいるのかな?泣かせに弱いというか、日本人はこういう成仏系の泣かせるお話が大好きだからね。ドラマではド定番のお話になっているしね。成仏系のお話を学園で多数の人数でやるとこういうアニメになる。
独特の、Keyの青春のノリはおもしろいというか、このアニメの世界観は不思議だったな。リトバスでもみんなで野球をやっていて、妙にみんなが仲良く一体感を持ったりして、「これが青春だ!」みたいな雰囲気があったが、このアニメも同じか。ABはさらに、陽動作戦と称して、バンド活動を女子にやらせていたが、この音楽もプロミュージシャンにやらせている本格的なレベルで楽しめた。外では、銃火器を使った殺し合いをしているのに、他の所では「青春!」のバンド活動やら野球やらやっているのは不思議というか奇妙な違和感があった。
Key(麻枝准)の脚本は、イヤな人とか、意地悪な人とか、本質的な悪役とかあんまり出てこないのはいいところ。
天使の女の子も当初は、悪役扱いみたいだったのがかわいそうだったけど、最後には友達になれてよかったよね。
最初にこのアニメの設定を一話で見たら、あまりにもゲームみたいなので笑った。決まった条件の登場人物しかいないし、天使という敵方がいて、NPCというモブキャラ生徒がいて、死んでも復活するし。
死んでもどうせ復活するのだから、どんどん味方は見捨てていくというプレースタイルはいよいよゲームみたいだと思ったw
特に地下ダンジョンで、味方がひとりひとり、「俺を見捨てて先にいけ!」を順番にやっていくのは、少年マンガへの皮肉かと思えるギャグだったねwどうせ復活するんだからいくら死んでもいいじゃないってw
心臓を剣で突き刺して、血液ドバーと流れるさまとかドンドン出てくるし、人の命をゲームの駒のように軽く扱うし、人の魂が成仏するのを、「観客の泣かせ」に使うし、人の命を軽く道具として扱っているという批判はされてもしかたないアニメではあるだろうな。
お話作りとして難をいうとすると:
*この世界は誰が作ったのか?解明されないまま。誰かが作ったらしいが
*主人公・オトナシは昇天したのか?描かれなかった
*家族への思いを残して死んだものがいないのも変だよね
*他のメンバーがあっさりと全員昇天したのも変だったな。悔いが残るからあの世界にいるはずなのに、描かれてなかったな。
*全体としてキャラ増やし過ぎで、尺足りずかな。
まあ、第二期が制作されるから、明かされる部分もあるだろう
*キャラクター
人数が多すぎて、各キャラの印象は薄いか。
主人公・オトナシはゲームプレイヤーみたいな観察役みたいなポジションであんまり活躍せず
ヒロイン・ユリは頭脳明晰な推理が光ったが、あんまり心情的には弾かれなかった。
また天使役の子も、どんな生前だったか語られないまま終わったな。
*作画
PA WORKだけど、背景とかキレイだった部分もある。音楽バンドの演奏シーンだけやららヌルヌル作画でよかったね。だけど、女の子の表情とかちょっと画一的かなあ。感情表現の表情がいまいちだった。
*音楽 よかった