plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
サブカル街のニヤニヤ屋さん
「街の本屋さん」という響きだけなら、大人しめな文学っ子でもでてきそうなイメージが湧くだろう。
しかしこのタイトルは巧妙にオブラートに包んでいる表現なだけであって、
「デンキ街の本屋さん」というのはいわゆる「秋葉原のとら○あな」のことである。
オタク文化の集まる電気街の、オタク向けショップのお話、というのが実の意味。
オタク界隈ネタの面では「俺妹」、アルバイト&ラブコメという面では「WORKING!!」に近い視聴感。
■サブカル&アルバイト&ラブコメ
オタク向けショップのサブカルネタ含むアルバイトコメディというのが主内容であるが、
その中でも"リア充爆発しろ!"というレベルのニヤニヤラブコメっぷりがこの作品の本体に思える。
わりといい具合にカップリングもされていて、甘酸っぱい恋心と距離感の描写も多々あり。
オタク向けショップが舞台であることから、否応なしに同人誌やらR-18なアレな本やらが登場するも、
それら趣味全開の品々について理解と節度?のようなものを持ちつつ、
背徳的感情から脱却した面々のはっちゃけ具合、開き直りともいえるその姿勢が勇ましい。
■恥ずかしいものもいいものだ
身近にアレな本があるからこそ、それらとどう付き合っていくのか……
普通なら秘めておいてしまうような感情が突如として浮き出て、互いにぶつけあうことも。
そんな人間関係をコミカル描きながらも、感情を肯定的に伝えようとしているように思った。
バカバカしいことだったり、小恥ずかしいことだったりするけど、それがいいんじゃないか、みたいに。
そんな作風なわけで、キャラクターは表情豊か。
特にひおたんや先生は、目をぐるぐるさせたり泣いたり赤面したり大忙し。
本人は真面目にやってるけど、空回ったりして感情がころころ変わるキャラというのは、
それを見てるだけで心の動きに感化されて、なんだか楽しくなれる癒しだと思う。
先生の女子力チェックいじりやら締切ネタはわりとローテーションネタだったけれど、
それが定期的な癒し成分補充になっていたのかもしれない。
☆まとめ☆
ふざけたことを大真面目に語る、小恥ずかしいことをおおっぴらにやってのける。
そういった感情的で趣向的な物事を面白おかしく、肯定的に描いたのが本作だと思う。
ネタがだいぶ俗的な部分は多いものの、文化的に描かれているのでそれほどいやらしさはない。
フィクションというよりは感情面での共感系のネタで、気軽に楽しめるコメディ作品だろう。