どらむろ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
バーチャルとリアル、絆の物語。欠点は多いが、真摯に描かれた人気作品
メガヒットライトノベル原作アニメの続編です。原作未読。
バーチャル世界に没入するゲームが普及した世界を舞台に、ゲームで戦ったり、キャラ同士交流を深めたりする。
↓以下、本作に否定的な方々へのメッセージ
1期のインパクトと先入観を経て本作の世界観が分かった上で、バーチャル世界の物語をどう感じるか?
人それぞれに人生も価値観も違うので、本作への感じ方も人それぞれ。
生理的に拒否感が強い方も大勢おられる事だろう。
私も正直、熱烈なファンでは無いです(昭和世代、感性が若くは無いしね…)
だが本作が、バーチャルとリアルの関わりの狭間で絆を模索する姿勢は、一定の評価をしても良いのでは?と感じます。
もし私も20年若ければ、原作にも熱狂していたかも知れない…
とにかく。どう感じるかはともかく、アニメファンならば一度は視聴する価値のある大作なのは確かかと。
否定的に見た方も、その感じ方は多分、間違いでは無い。
でも、もう少し人生経験(アニメ視聴経験もw)積むと、もう少し寛大に評価出来る日が来るかも知れませんよ?
基礎クオリティーは高いので、5年後でも10年後でも、もう一度チャレンジしてみるのも良いかもです。
…おっと、長々とくだらん話を失礼。
{netabare}『物語』
全24話のうち、大きく分けて3つの物語に分かれている。
最初は銃で戦うバーチャルゲームの話(一番長い)
次に仲間同士で割と呑気にネトゲする話(箸休め的なショートエピソード)
そして最後が本作の真骨頂ともいえる、バーチャルで結ばれた絆の物語。
どれも結構楽しめましたが、ラストエピソードを高評価。
『ファントム・バレット編』評価3.0
全24話のうち半分以上を占める長編ストーリー。
剣ではなく銃で戦うタイプのゲームで、キリトと本編のヒロイン・シノンとの交流が描かれる。
前期と比べてもストーリーに一貫性と連続性がある為、丁寧で良いシナリオだった(反面テンポは悪かったかも)。
個人的に、テンポはスローペースでもそこまで気にはならんです。
擬似的に「ゲームで殺されれば現実でも死ぬ」1期前半を彷彿とさせる展開は、緊迫感ありました。
銃が武器なのか?タイトル詐欺じゃん。と思ったが、さすがキリトさん!
銃は剣より強し、ンッンー名言だな…ファッ!?
ソードアートオンラインの看板に偽りは無かったッッ!
剣で銃に無双しちゃうキリトさんマジ強かったwww
シノンちゃんが可愛いです。クールビューティーかわいい。
狙撃戦とチート剣士の連携戦術も熱かった。
あんまり銃撃ゲームには詳しく無いので詳しい人から見るとツッコミ所はあるかもですが、私は結構楽しめたです。
幼いころ正当防衛で人を射殺してしまったシノンのトラウマ、キリトもSAOで人を斬り殺した罪と向き合う展開。
…正直、「悪いのは君じゃない」(グリザイアの果実)と思うので、悩み過ぎだなぁと思った。
それでも真摯に向き合いながらお互いに成長していく二人の話は、丁寧に描かれていて一定の評価。
デスガンのトリックはあまりにもお粗末で拍子抜け。
ま、まあ、ここら辺はあくまでもラノベだからなぁ。
ツメの甘さは欠点ではあるも、細かい事は気にしない態度で、まあ良し。
私はアニメ含む物語は減点法ではなく好意的に見る主義だし、トリックの甘さは許容範囲ですとも!
(とはいえ物語評価0.5減点)
…総じて
擬似的にデスゲーム展開なので、1期前半のような緊張感あり
銃撃戦バトルが熱い
シノンちゃんが可愛い
デスガンのトリックは…お、おう…
14話に渡り、十分以上に楽しめました。
少なくとも1期前半よりは面白かった。
『中盤(サブタイトル分からん)』評価3.5
3話くらいの短編。クラインたち気の置けない仲間達と一緒に、1期後半の舞台となったバーチャルゲームをプレイする。
別に命の危機は無い牧歌的なシナリオで、個人的には呑気に楽しめるので好きでした。
確かに緊張感には欠けるものの、仲間達と純粋にゲーム楽しむのは悪く無い雰囲気です。
(ドックデイズめいた呑気な楽しみ方も良い感じ)
本作に何を求めるか次第で評価が割れるのかも。
私的には上記の理由で結構好感が持てる話でした。
新加入のシノンが銃撃ゲームで培った技で超狙撃してみせたり、クラインの純情さ等、見所あり。
特にストレス無く楽しめる短編でした。
『マザーズ・ロザリオ編』
SAO2期の真打ちともいえるストーリー。
キリトではなくアスナが主人公。アスナが絶剣と呼ばれるスゴ腕の美少女剣士ユウキと交流していく。
ユウキと仲間達「スリーピングナイツ」は、実は現実世界では余命幾許も無い末期の病床の身であり、アスナと共に自分達の生きた証を残す為に、クエストに挑んだ事が、明かされる…。
アスナの母との確執と苦悩、母の正論は確かに正しいのだが。
でも、バーチャルでユウキと冒険した絆も決してウソじゃない…。
短い命を精一杯生きたユウキ、母と向き合ったアスナの出した答えとは…!?
私は原作未読だったので途中までユウキ達の事情知らずに無邪気に観てました…
(ニコ動では原作読者と思われる方々の悲しそうなコメが溢れており、ネタバレこそされずとも、何となーくイヤな予感はしてました。
最期まで視聴して、彼らの気持ちが良く分かった。ネタバレはギリギリ控えてくれた原作ファン達に、感謝)
キリトというチートキャラが一歩引いていてアスナ視点で女の子同士の友情展開、中々に萌えた。
アスナとユウキの剣劇一騎打ちも中々熱い。
限定ボス攻略の際の大手ギルドとの確執、アスナとユウキのピンチに颯爽と登場したキリト「ここは通行止めだ!」
おおおキリトさんかっけえ!!!
(正直)初めてキリトかっこいいと思ったw
私はネトゲに疎いのでルールとかマナー詳しくは知りませんが、心情的にアスナとユウキ達そしてキリトの方に喝采を送りたくなる。
本作(と同作者のアクセルワールド)は、こういうベタだけど共感し易い勧善懲悪が(良い意味で)あざといのが人気の秘訣なのやも。
めでたくボスを倒したアスナとユウキ達であったが、ここからが本番であった。
終末医療とバーチャルを絡めた設定は、これもSFの在り方か。
SFとして細かい指摘は、物語としてはあえて無視したいです。
ユウキとアスナの絆は(物語として非常にあざといとはいえ)涙が溢れたです。
※安いケータイ小説みたいだって?かも知れんな…だが、それがどうした?
嫌味な大手ギルドまでもユウキの最期を悼んでくれたシーンは、素直に良いと思ったです。
あのシーンを「死をお祭りみたいに軽く見ている」と感じるのは、少々意地悪な見方なのでは。
本編いや2期全編を通して「バーチャルとリアルの関わり方」がテーマなのかも。
ファントム・バレット編も、事件は現実の人間の心の闇や葛藤であったし、マザーズ・ロザリオ編も然り。
アスナ母の主張は間違い無く正論ではあります。
だが、アスナがバーチャルで得たモノ、ユウキ達との絆は偽りであったのか?
決してそんな事は無いハズです。
母の主張が頑迷で間違っていたか?
それも否。リアルも大切なのは明らか。
…アスナも母も、お互い少しだけ歩み寄る事が出来たのが良かった。
決して母は全面的にバーチャルを認めた我では無いのも、良い。
少しずつ歩み寄る。その過程こそが、(もしかしたら我々の世界でも)今後のバーチャルの在り方なのかも知れないのです。
本作(ソードアートオンラインというライトノベル)は決して名作級とは思わないし、色々と欠点や粗は目立ちます。
あざとく泣かせる為にユウキを殺した?まあかも知れんけどさぁ…
だが、バーチャルでも絆はあるんだという主張は、それ程間違っていないように思える。
少なくともソレを真摯に真っ向から描き切った本作を、私は非常に評価しております。
『作画』
相変わらず非常に綺麗。
今回はアクションも前期よりは分かり易い点も好感持てる。
4.5かはやや迷う。
『声優』
松岡禎丞さん、前期よりも深みが増したような気が。(気のせいか?)
シノンの沢城みゆきさんは流石のクールビューティー。
戸松遥さん、悠木碧さんも素晴らしい好演で感情が伝わってきた。
悠木碧さんの最期の演技は強烈に心揺さぶられた。
アスナ母の林原めぐみさんも、頑なな母親っぷりがコワイw
『音楽』
全編に渡り主題歌もBGMも十分以上。
だが注目はマザーロザリオ編のOP「シルシ」と挿入歌「セパレイト・ウェイズ」で、主題完壁に捉えた素晴らしい主題歌だった。
原作知らないので全然意味分からず、原作読者達が「この歌で既に泣ける…」と言っていた意味が分からず…なるほど、これは確かに泣けます。
ちくしょう完全に泣かせに来てやがる…あざといな実にあざとい!
悔しいけれど素晴らしい主題歌です。
『キャラ』
今回のキリトは主人公というより、一歩引いて各章のヒロインをサポートする立ち位置だった。
前回より精神的に成長しているのが分かる。
サッカーで言うとストライカーではなく、名アシストしてくれる司令塔な感じ。
シノンの苦しみに正面から向き合って共に乗り越えていったり、ユウキの事情を察して、嫁(アスナ)に出番を譲ったり。
「ここは通行止めだ」も非常にカッコイイ。
キリトさん、本人が無双するよりもサポートに回った方が光るタイプなのでは?
私は正直キリト好きでは無かったけれど、今回でかなり好感度上がりました。
シノンはクールビューティーで可愛い。リアルの眼鏡っ子の方が更に可愛いです。
何気にクラインが輝いていたw
こういうノリ、結構好きですw
そしてアスナとユウキ。
廃人過ぎるという批判もあるようですが…
ちゃんとリアルでも一生懸命に生きてるじゃないですか。
「3日もログインしてない!」がネタにされてますが
バーチャルがユウキとの絆の場だったし、別に良いと思いますがねぇ。
ユウキはボクっ娘剣士で可愛く、また辛い状況でも精一杯前向きに生きた立派な子です。
また、アスナ母も外せないキャラクターでした。
娘への愛は本物だし、アスナの言葉にも最後にはちゃんと耳を傾けてくれた。
素晴らしい親御さんではなかろうか。
…正直、抜きん出て好きなキャラは居ないです。
ここら辺は、私の感性が古いのかも。
それでも、前期に比べれば、本作のキャラクターが大分好きになりました。
3期にも是非期待したいです。{/netabare}