雷撃隊 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
宇宙で2番目に有名な宇宙戦艦
宇宙海賊船アルカディア号はヤマトに次いで有名な宇宙戦艦だろう。僕の周囲にはヤマトに似てるけど色が違うね、という人が多かった。あながち間違ってはいないけど。
ハーロックというと999の星野鉄郎やメーテルの仲間というイメージが強いけど単独の主人公の作品がいくつもある。本作はトチローが死亡しているのでタイムテーブルでは「劇場版999」より後の物語だ。女性ばかりのエイリアンのマゾーンなる敵が地球侵略を開始、アルカディア号が立ち向かう。999では無敵のヒーローのハーロックだけど単独の主人公となると結構人間的な弱さを見せるし失敗して乗組員に助けられることも多い。無敵では無い等身大の青年としての魅力が満載だ。「俺には部下などいない、皆大切な仲間たちだ」との言葉通り、乗組員との絆が彼の強さだ。
マゾーンというエイリアンは一見人間に見えて実は植物という不気味な連中で古代から地球に潜入して侵略の機会を窺っていたそうな。女王ラフレシア率いる大艦隊が地球に迫る。唯一隻で迎え撃つアルカディア号のバトルはカッコイイぞ。でも女王に対し「貴様の誇りなど所詮女の誇り、男の誇りの敵ではない」なんて今じゃ女性蔑視かも(笑)。
戦闘は艦隊戦が中心。通常の砲撃戦にアンカーを打ち込んでの接近戦や艦首に巨大なナイフが生えて敵艦に突き刺すラム・アタックとなかなか海賊らしい戦法だ。本作のアルカディアは青バージョンと呼ばれるタイプだ。設定では2号艦だ。海賊島やSSXのような根拠地がいくつもあるので必要に応じてパーツを換装したり乗り換えるとのこと。コミック版のトチローの台詞ではアルカディアは9号艦まで存在するとのこと。ちなみに999や「わが青春のアルカディア」の緑バージョンは3号艦とのこと。でも波動砲が無いからヤマトより強くなさそうだけど・・・
水木一郎の主題歌も名曲だ。「宇宙の海は、俺の海」という歌詞、知っている人も多いのでは。亡き友トチローとの約束を謳ったレクイエムだ。「君が気に入ったなら、この船に乗れ」も忘れがたい。
ヤマト2199でヤマトから漢成分が足りなくなってしまってからこういうガチな作品が恋しくなる。この頃の男性キャラには尊厳というか単独での価値があった。近年のアニメでは男キャラは女性の添え物に成り下がった。萌えに胸焼けした時に見返したくなる名作だ。