名無氏 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
スポ根って素晴らしい
熱血少女率いるカルタ三昧の部活が全国大会に出場する、というストーリーです。
{netabare}
序盤にやや苦戦しながらも、順序良く勝ち進んでいきます。
テンポがよく、各対戦者の心理も精密に描かれていて、引きこまれました。
しかし、全国大会の決勝戦は4連覇の強豪校。あと一敗すれば敗退してしまうところまで追い込まれます。その中で、キャプテンは・・・
「みんな、絶対勝つぞ!」
あの劣勢の中でこの台詞が出てくるとは。
今までクールだったキャプテンが変わる。みんなが士気を取り戻す。
このシーンにはグッと来ましたね。
ルーキーズにて、満身創痍の安仁屋の下へ川藤が戻ってきた瞬間がフラッシュバックしました(笑)
リーダーが支え、みんなをそれを支える。期待に応えあい、個人戦では考えられないような団結力を発揮する。スポーツの奇跡だと思います。
団体戦全国優勝。おめでとう。
そして、個人戦。
これもテンポよく勝ち進んでいますが、クイーンと当たり、千早は敗れます。
クイーンの強さ故の孤独と苦しみ、それをかき消すように持つ強者としての傲慢さ。
その一方で、内心では「向かってくる相手が欲しい」という願い。
一瞬、千早がそれを見せました。圧倒的な枚数差をつけられても、クイーンに食らいつきます。クイーンが本気になります。
試合を終えたクイーンの顔には笑顔と悔しさが。きっと満足する対戦相手が見つかったのでしょう。
試合後、23枚差をつけられながら涙をこらえながら、千早はクイーンに、
「ありがとう」
これにはこれから「強くなるんだぞ」という思いが込められていて、まだまだここからだ!という強い意思が込められていたと思います。
圧倒的な才能の前で努力なんて意味がないのかもしれない。
じわじわと開く点差と、焦りと、あきらめの誘惑。
そんなことはわかっている。
それでもそこに必死に食らいついて一枚一瞬に懸ける思い。
肉まんの「俺にできることは、最後まであきらめないことだ」という台詞でした。
結果を来にせず、あきらめずにやり抜く。そこには強い克己心が見て取れました。{/netabare}
この種の根性論を美徳とするのは危険かもしれませんが、スポーツは一瞬一瞬を懸ける青春だと思います。ライバルと戦う中で、何度も悔しさに沈み、仲間ともぶつかり合う中で育まれる美徳なのでしょう。