plm さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アカメが斬る!(までのお話)
題名やキービジュアルから香るダークな雰囲気、硬派な"仕置き人"的なイメージが第一印象だった。
実際に観てみると、かなりファンタジー! 少年漫画的な幕開けで想像とはかなり違った。
内容的には王道なノリのバトル活劇だが、殺伐とした容赦のない展開を徹底していた点で際立つ作品。
■「帝具使い同士の戦闘では、どちらか一方は必ず死ぬ」
この設定をしっかり活かしていたのは良かった。
バトルモノや競争でイマイチな展開というのは、
「今日のところはお預けだ!」「今回は見逃してやる!」
……というような、都合のいい話で勝負がうらむやになってしまう展開。
再戦に向けての理由作りには良いのだけど、納得のいく描写でないとぐだぐだに感じることも多い。
その点本作は「どんなに良いキャラ同士の戦いであろうと、ぶつかればいずれかは退場」という、
勝敗をハッキリつける作品だ、と言える。
おかげで間延びせず、メリハリをつけて観続けることができたと思う。
■殺し屋集団ナイトレイド(夜襲)を以って正義を志す
最序盤こそ"仕置き人"的な作風もあったものの、中盤以降は帝具使い同士の決闘主体となり、
殺るか殺られるか互いに人員を削り合う戦いになっていったのも、展開シフトとしては良かった。
メインキャラクターたちは殺し屋集団という一般的に考えて"悪のサイド"に置きつつ、
帝国側の腐敗部分は見せつつも、個々としては信念を持って戦う"正義のサイド"を敵にする構図。
この対立構図のおかげで、片方が単なる"かませ役"や"やられ役"といった悪者に成らず、
どちらにも負けてほしくないあるいは負けないだろう、と思えてしまうキャラ付けがあったのは絶妙。
特にイェーガーズのウェイブ、ボルスさん、クロメの信頼関係はナイトレイドに引けを取らない。
敵対キャラクターの掘り下げをきっちりやってくれたおかげで、戦いが楽しめたのだと思う。
ズバ抜けて行動信念が尖っていたのはエスデス様だったが。
暴力に自覚的で、けれど後悔も罪悪感もなく、しかしただの戦闘狂でもなく近しい者には信頼を置く、
稀に見るぶれないキャラクター性と圧倒感で良い悪役だった。
■アカメが斬る!(までのお話)
誰もが突っ込むところだと思うけど、敵やナイトレイド面々の掘り下げはそれなりに良いものの、
肝心のアカメさんはかなり空気というあたり、不遇というか、キャラ的にはおいしいというか。
作品タイトルになってるわりに一番のサブキャラである。
でもこれは、キャラがばっさばっさの生きるか死ぬかの戦いを繰り広げる作風的に、
作品タイトルになってるキャラは死なない法則があるので当然の振る舞いなのかもしれない。
だって勝つと分かってる戦いそう何度も見ても面白くないよね?という実質チートキャラだったようだ。
☆まとめ☆
娯楽アニメとしてはベストな作り、というぐらい単純明快に楽しめるバトル作品だと思う。
終盤作画は劇場版かと見紛うような迫力で気合が伝わってきたし、インクルシオオオ!!!は熱い!!
惜しむらくはシェーレの出番がもうちょっとほしかった……というところ。