HeX さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
動かなくてもカッコイイ・・・でしょ?
いわずと知れた、シド・ミードデザインのMSが活躍する本作。
ヒゲガンダムなんてありえない、奇抜なデザインのMSの数々…動けばかっこいいんだけど、とのコメントも多い。
でも、私はどれも、動かなくてもカッコイイと思う。当然動くともっとカッコイイが。
無理にケレン味を加えない、顧客にやたらと媚びないデザインがお気に入り。
フラットやスモーは特に秀逸。機能美というか、工業的な設計思想が伝わってくるようなデザインがいいじゃないか。プラモを作ると良くわかる。
おヒゲもしかり。バックパックやウイングをはずしたシンプルさが心地よい。ターンXの無機質&継ぎはぎ感も、狙いすぎず、かといって破綻していない。
そうやって一人のミード信者が出来上がったのも、もう10年以上も前のこと。当時は本当にこれでガンダムが終わるのかとも思っていたが・・・やはりバンダイ・サンライズの金ヅル。終わることはなかったw
本作は、すべてのガンダムの終結点として作られたそうな。
舞台はとある出来事で文明を失い、現実世界の近代くらいの文明レベルまで復興を遂げた地球と、技術力バリバリの月。
大まかに言えば、地球VS宇宙という、これまでのガンダムでもおなじみの構図だが、上述のように事情が違い、他作とはかなり雰囲気が違う。
牧歌的な地球、中世~近代的な町並みに複葉機が飛ぶようなところに来襲するMSというのはかなりのインパクト。
ハウス名作劇場にガンダムが出てきた、などと放映当時は言われていた。
MSのデザインとあいまって、そこを味ととらえるか、違和感ととらえるか。製作者側もかなりの冒険だったんじゃないだろうか。
そんなちぐはぐな世界観ながらも、宇宙もMSも知らない地球サイドが次第に力をつけて(MSを発掘!という驚きの調達方法もあり)いくのも、きちんと理解でき、不自然には感じなかった。話数が長いと、その辺が有利だなと思う。
キャラも立ってた。
主人公の少年、お嬢様姉妹、資産家のボンボン、月のお姫様、月軍の大将、ちょっとおかしなMS乗り、ユニヴァース。
「こいつ誰だっけ?」というのがあまりなかったように思う。
もちろん富野節は健在、台詞回しにニヤニヤしたもんだ。
超性能の機体同士のバトルも見ものだし、月光蝶なる超兵器もインパクト十分。
まあとにかく、未見の方々はぜひ視聴をお勧めします。
・・・そういえば、黒歴史という言葉も本作発祥だっけ。