karinchaco さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
素晴らしいキャラクターと癖になるOP
まんがタイムきららの漫画が原作の作品です。
キャッチーなOP曲と可愛らしいアニメーション。そして、「あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜」という流行語を産んだ2014年を代表する作品ですね。ニコニコ動画ではいまだに第1話の無料配信の再生回数が伸び続け5,234,646回(2015/10/7現在)をカウントしています。
日常系や萌えアニメと呼ばれるジャンルが登場して一定の期間が過ぎましたが、ある意味それらのジャンルの集大成的作品といっても過言ではないと思います。
・魅力あるOPソング
アニメソング業界では超売れっ子ライターの畑亜貴さん。これまでも「ハレ晴レユカイ」やラブライブの全楽曲を担当し、手掛けたアニソンは星の数ほど。ごちうさのOPソング「Daydream café」も彼女の作品の一つです。
この楽曲の魅力的なところは「こころぴょんぴょん待ち? 考えるふりして もうちょっと近付いちゃえ」から始まる出だしに代表されるようにポップでキャッチ―な歌詞と、メインキャスト5人がキャラ声で掛け合いのように歌詞を重ねるところです。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのは、OPアニメーション。ニコニコ動画でテンプレートのように弾幕が用意され、それが切れ目なく流れ込むさまは圧巻です。弾幕もOP映像由来のモノと、歌詞由来のモノがありどちらも放映当時に同時多発的に広まった記憶がありますね。「あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃぁ^〜」もその一つ。しかし、この元ネタが精神衛生上あまり好ましくないという理由もあってこの弾幕自体を嫌う人もいるというのは頭にとどめておいた方がいいかもしれません。
・よく練られたキャラクター配置
メインキャストは5名ですが、その5名がそれぞれに有機的につながり、エピソードによっては全員つながってお話が進んでいきます。一見当たり前のことのように感じますが、ごちうさはその関係性がすごく美しいのです。
例えば
・学校 ココア=千夜 リゼ=シャロ チノ
・職場 ココア=リゼ=チノ シャロ 千夜
・住居 ココア=チノ リゼ シャロ≒千夜
それぞれのテリトリーにはそれぞれの組み合わせが存在しているのですが、この主要3拠点ではココアを除く4名がそれぞれ単独に1拠点ずつ孤立しています。ココアは主人公補正が付くので、必ずどこかで誰かと組み合わせになるのは当然としても、それ以外のキャラの孤立が均等だというのは何かきちんと仕組まれている匂いがします。
ただ、孤立しているといってもチノにはマヤ、メグとのチマメ隊でのエピソードや、シャロ・千夜の職場にはしょっちゅう遊びに行っています。あと、リゼには・・・。そうです、ワイルドギースがいましたね。
また、メインキャスト以外のキャラクターも魅力がたっぷり。チノの友人のマヤ、メグはもちろん。父のタカヒロさん。祖父でアンゴラウサギのティッピー。小説家の青山ブルーマウンテンさん。個性的だけど、この作品の世界観や空気感からはみ出さないところが素敵です。
・ありそうでない世界観
ヨーロッパ風の建物が立ち並んでいる割には通貨が円だったりと、現実にありそうに見えてありえない(それが、ありえるかも?)雰囲気が作品の世界観にシンクロしています。日常系に分類される作品なのでほとんどファンタジー要素はないのですが、唯一のファンタジー設定が、祖父がなぜかウサギになっているということだけです。
どうやらモデルはやっぱりヨーロッパの街並みみたいですね、プール回も海外の温泉浴場がモデルみたいです。でも、ニコ動の第1話の観過ぎで、「あっちが神戸、こっちがソチで、まあいっか」って感じでちょっとどうでもいいかも。
最後に
最後に、ここまでで触れてきませんでしたが、この作品のもう一つ良いところは、魅力あるキャラクターが最初から、最後まで全く崩れる気配がなかったというところ。萌えアニメって作画が雑で、思っているのと感覚がずれると、現実に引き戻された気がしてそのあと突然のめり込めなくなってしまうんですよね。
実はこれってものすごい大切なことかもしれません。これまでOPの魅力やキャラクター、世界観について語りましたが綺麗な作画がなければいずれも成り立たなかったと思います。そういう意味では、この作品が日常系萌えアニメの頂点だと言われても何の違和感もありません。
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