woa さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
死と生をつなぐメッセンジャー
2006年放送。全六話。
アンソロジー形式で登場人物たちの死に運命づけられた生のありようを描く。主人公の死神・モモ(100100番)と使い魔の猫・ダニエルは狂言回しとして各キャラクターの行動を動機付け、遺恨を残さないため、死人そのものに化けたりするのである。
ダニエルはモモの人間の運命に関与する行為をお節介と言うのであるが、OPのモモと同年代の生徒たちが登下校する道すがら、逆方向へ向かうモモには普通に考えて各話の登場人物が失うことになる日常生活そのものと生や死の概念自体がないのではないだろうか?
彼女が自己紹介する時もかならず相手に「モモ」と呼ぶように要請するのも、あいまいな自身の存在を確認させる作業に思える。
一話の登場人物が再登場する際も、彼がモモとの人間的な関係をはぐくんだシーンはカットされているのは、尺的な問題も含めて、あくまでモモを虚ろな媒介者としての役割に徹しさせた結果だったのではないだろうか?
この作品を通じて思うのは、些細な誤解やすれ違いが死という絶対的な彼岸のようなものをイメージさせてしまうのだということだろう。
遺言が時にゲームで有ったり猫の飼育であったり、魚だったりするのは、死という概念が最も日常に寄り添ったものだという意思表示なのだ。最後に雪が降って、モモが泣くことからこれらのことは明らかなのである。