らしたー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
思考停止型の脚本でもちゃんと勝負できることを見事に証明した。
ベルセルクとバジリスクとラブコメ全般をミキサーにかけてついでにシェイクしたらこんな感じになりました、的な。すげえ欲張り屋さんだなあと思う一方で、それなりの化学反応を起こせていたんじゃないかと、観終わった今では思ってみたりもする。もはやいろんな要素が満載すぎて、よくわからん。とりあえず初回の引きの強さは特筆すべき。
不思議なのは、「誰がいつどこで何をして…」といった具合に頭の中でプロットを辿ろうとしても、まったく記憶に残っていないこと。なのに、「誰がいつどんなふうに死んで…」と切り口を変えると、今度は不思議なくらい鮮やかに記憶が蘇るという。
「帝具使いどうしが戦うと死人が出る」という設定になんの説得力も持たせないまま、キャラをある程度掘ってはそのキャラごと抹消するという思考停止型の脚本を、ある種の「テンプレート」として採用した割り切り方には感心した。
人によっちゃ反感を覚えるのもやむなし、ていうか実際手放しで賞賛するようなものじゃないけれど、映像作品としてこれをえいやーってやられると、なるほど悪くないなと。
最後まで観たいと思わせたこの作品の勝ちである。結果がすべてである。
アカメの主人公性に対するツッコミや、死亡フラグ的なものとのメタ的な戯れ、インフレしてるんだかしてないんだかよくわからない帝具のあれやこれや等、手触りとしては、雑でジャンクなアクションアニメの域を出ていないのだけども、それらを含めて、意図されたチープさを狙ったものだと、好意的な受け取り方をする限りにおいて、けして悪い作品ではないと感じた。
エスデスとセリュウ(花澤さんのやつ)は、頭一つ抜けてキャラ立ってたねー。