ひな＠ さんの感想・評価

4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

これは希望の物語

どういうアニメかを説明するのはすごく難しい作品です。

背中に羽を生やし頭に天使の様な輪を載せた「灰羽」という存在が
壁に四方を囲まれ外界と完全に隔離された世界で生活していく様子を
登場人物の抱える問題を通して淡々と描いている作品です。

一見灰羽は人間の様な姿形をしていますけど、実は灰羽の他にも
人間の方が何人か登場しますので人間とは＜別物＞として描かれてます。

じゃあ灰羽って一体何なんだろう？

どうして人間達とは違う姿で住む場所も別で生活を営んでいるんだろう？？
一体彼らは何処から来て何処へ行くんだろう？？
そして壁に仕切られた世界の向こうには何かあるんだろう？？

疑問は回を重ねるごとに増えてきますけど、そんなあたし達を余所に、作品はラッカという灰羽になりたての女の子と、一見明るくもどこか闇を抱える素振りを見せるレキの2人を軸にして物語の歯車は動き始めます。

後味爽やかなラスト。丁寧な起承転結とはいかず最後まで見て
この作品に対する視聴者達への納得行く回答は残念ながら出てきません。
他の人のレビューがそれを証明しているんじゃないかと思います。

最終回まで色んな人のありのままの感じた疑問やそれに対する答えがあって
この作品への想いは人それぞれ違うものを抱えているんじゃないかなって…それが灰羽連盟というアニメの魅力だって感じました。

あたしも一人の視聴者として最終回まで灰羽連盟という作品に向き合って
自分のありのままの考えを最後に書きたいと思います。

{netabare}途中の文章にも書いちゃいましたけど、灰羽連盟への疑問として

灰羽の存在・生まれてきた意味
簡単に言えば＜存在意義＞についてあたしは考えていました。

あたしは基本的に自分に自信がない人間なので
すぐに自分の境遇や抱えている悩みにテーマが似ていると
それとダブらせて考えてしまう癖があります。
今回の灰羽もそうなっちゃいました(；・∀・)

なので最後にこの作品を見たときにあたしは今までの疑問を
こう置き換えました。

自分って何なんだろう？

突き詰めれば

自分が生まれてきた意味って何なんだろう？
生きているのは何でだろう？？

自分はこの為に生まれてきた！って
自信を持って言える人いますか？

たぶんそんなにいないと思います。

それはそもそもテーマが曖昧すぎるのと
対する選択肢がそれこそ多すぎるのが原因じゃないかって感じます。

自分で今考えられる例としては

誰かを喜ばせる・幸せにする為にいるのか
人類に貢献する為にいるのか
立派な恥じる事のない人間として徳を積む為に生きているのか

この3つがパッと浮かびますけど
どれももっと細分化しようと思えば出来ますし
大雑把な考えであるのは間違いありません。

それともただ生まれてきて今に存在してしまっただけなのか。
というちょっとズルイ考えだってあります。

上の考えはどれも正解の可能性もありますし
不正解の可能性もあります。

だからなんていうのかな。

人生って自分にとっての正解をひたすら探す作業の繰り返しじゃないかって

チャレンジ精神っていうのかな。
やりたい事があればそれをやる方がいいっていう考えに繋がるのかなって。
何でもやってみる事が大切ってよく言いますよね。

中々巡り会えない人もいるだろうし
運が良くてすぐに巡り会える人もいる。
でも巡り会えたと思ってもやっぱり違うって途中で感じてまた探す。
その繰り返し、かな…。

そんな人生を得意顔で語れるような年齢でも人間じゃないけど
そう思っちゃいました。

灰羽達も自分達のやりたい事を仕事にして
日々生計を立てているのは作品のシーンであります。
それはこの作業なんじゃないかなって。

志半ばでなんかの事故やら病気やらで死んじゃって
自分の生きている意味見つけられなかった存在
それを掬い取って誰かがもう一度くれたチャンスが＜灰羽＞じゃないかな。

そう考えるとあたしは最終回でレキが旅立った理由
なんか自分でもしっくりくるなって思うんです。
もしかしたら相当な的外れかもしれないけどw{/netabare}

他にも色々な疑問あるんだけどキリがないので
このくらいにしときます。
というか知らない間に文章長くなってるしっ（；^ω^）

あたしも日々何気なくのんびりと生きているけど
最後には自分がこの世に生まれてきたのは
この為だったんです！って胸を張って言える
そういう人生を送りたいし送れるようにしたいです。

色々考えたけど
結局灰羽は希望の物語。
あたしの目にはそう映りましたよ♪