無毒蠍 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
今は亡き母に忍び寄る魔の手!超A級犯罪者「禍因」との時空を超えた死闘を描いた劇場版第一弾です。
ギャラクシーポリスの管理下によって100年にわたり亜空間に封印されていた超A級犯罪者「禍因」が
脱獄し過去に飛びます。そして天地の母親、柾木阿知花の殺害を目論むのです。
そのことが影響してか現代の天地の体が消えかかるという事件が発生、
天地の母親の身に何かが起こった可能性があるということで
天地ファミリーは過去に飛び阿知花を守るというお話。
ジャンルで言えばタイムトラベルをあつかったSF的作品になるんですが
そもそも天地無用というシリーズが地球から宇宙まで幅広い舞台をもったSF作品なので
今回のタイムトラベルも違和感はないに等しいです。
というか鷲羽という天才がいる限り何でもありな作品に思える(笑)
天地消失ネタとか天地無用というタイトルがシャレにならなくなっちゃいますよねw
天地ファミリーはそれぞれクラスメイトだったり教師だったり身分を偽りながら
阿知花に近づき護衛していくことになるのですが終盤まではこれといった問題も起きないので
人によっては退屈に感じるでしょう。
まぁいつもの天地無用みたいなドタバタ劇メインで進行していくということです。
主人公が消失しそう→過去にタイムトラベル→主人公の母親を護衛というSFアニメとして
美味しい設定にも関わらずいつもの天地無用だったのは少々勿体なかったような気も…
もちろん天地無用という作品である以上、作品の空気感を損なわないことは大事だと思いますが
もう少し劇場版独自の冒険をしてもよかったんじゃないでしょうか。
肝心の禍因が終盤まで全然でてこないというのはさすがにいかがなものか…
そういった面から見てもこの作品は設定的にはシリアスなんですけどそれが活きてくるのは終盤のみで
どちらかというとメインは阿知花と信幸の関係を見守る天地ファミリーという構図になります。
最後のバトルもまぁ悪くはないですが天地が阿知花を守るという設定だったのに
最終的に阿知花に守られてしまうというのはちょっとね…
単体で考えればすごくいいと思うんですよ、清楚で可憐な母親が息子の窮地に覚醒し救うというのは。
でもこの作品は過去に飛んで阿知花を救うという目的から始まってるわけです、
母親を救うために過去に飛んで母親に救われて帰ってくるというのは燃えません、むしろゲンナリです。
母親という存在の力強さを見せたかったのなら天地との共闘で親子の力強さを見せればよかったと思うし
阿知花が美味しいところをもってっちゃったなぁという感じですね。
魎呼も阿重霞もバトルで活躍するようなことはありませんでしたし残念です。
あれだけ驚異的な強さを持つ禍因なのだからもっと総力戦として描写したほうが盛り上がったと思います。
作品としてのポテンシャルの高さが伺えただけに細かい粗が目についてしまう作品でした。
【B+75点】