「009 RE:CYBORG(アニメ映画)」

総合得点
59.5
感想・評価
152
棚に入れた
667
ランキング
6239
★★★★☆ 3.5 (152)
物語
3.1
作画
3.9
声優
3.5
音楽
3.6
キャラ
3.4

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woa さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

アニメに政治や宗教を持ち込むことの危うさ

2012年放映された。

ストーリーに関しては、世界の新たな脅威テロリズムに引退後の009メンバーが再び立ち上がるというもの。

ここで問題なのは浅はかな宗教的議論、2ちゃんねるのような政治的陰謀論にもあるが、メンバー内の扱いの差そのものに差別意識が表れていることである。

例えば黒人のメンバーはほとんど活躍の場を与えられることなく、エピローグの死後の世界で邂逅するのみである。代わりに大活躍するのはWASPと思わしき白人男性である。

アニメにおいて主人公やヒロインが特権的な立場であることは間違いないが、主要人物に動機を与えたり、彼らの意志疎通を媒介したりと脇役には脇役の役割があってしかるべきなのだがこの作品からは、そのようなキャラクターに対する思い入れが感じられなかった。

この作品において「サイボーグ」たちは、ただ単に状況に応じて動くコマのような存在なのである。だから、黒人で、水中でしか活躍できず、シリアスな展開に不釣合いな、この人物は「世界像」に合わないという理由で意図的に排除されてしまうのだ。

このことは009の原作ファンがこの作品に対して奇妙な評価を下していることからも分かる。

政治や宗教を議論することは重要である以上(議論自体が終わっているという主張もあるが、議論の不可能性も含めて)話し合われるべきことだろう。

ただ009はあくまでフィクションとしてのアニメ(漫画)であり、娯楽なのである。

娯楽自体が一つの政治的スタンスを示すといえばそれまでだが、娯楽であることを公言しつつ同時に直截的な政治的メッセージを発し続けるこの手の作品群は日本のアニメの価値を著しく貶めていることを自覚するべきだろう。

自分はこの009の黒人キャラクターの扱いのあまりの酷さを自覚することでアニメという素晴らしいジャンルについて、すべての関係者・視聴者に反省してもらいたいのである。

投稿 : 2014/12/15
閲覧 : 362
サンキュー:

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