STONE さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
霊的日常系?
原作は未読。
神社を舞台にした神使が出てくるほのぼの系作品で、この手の霊的な存在が出てくる作品は、
ほのぼのメインでもエンターテイメント性を考えて、多少はバトルや事件解決のような派手な
展開があったりする作品もあるが、この作品はそういった要素は一切なし。原作がジャンプ系と
いうことを考えると珍しいなといった印象。
特に大きな話の動きはなく、クライマックスも「夏越の祓」とあくまで小さな神社の
年中行事の一つといったところ。
このため退屈にも取られかねないが、心温まる作品としては地味ながらもよくできて
いるんじゃないかと。変に派手な要素がない分、作品のカラーに一貫性があって気持ち良い。
主人公の冴木 まことを始め、池上 ユミ、船橋 日輪子など女子キャラも結構出てくる。
あくまで個人的好みだが、キャラデザイン的にそんなに可愛い印象がなく、むしろ神使の方が
可愛い印象がある。
銀太郎などはいわゆるおっさんキャラなんだろうけど、あのモフモフ感はやばい。
この銀太郎だが、性格的には古き日本男児といった感じで、照れもあってあまり本音を
言わないが、まことが可愛くてしょうがないんだろうなって感じ。
神使と人間では寿命が違うようで、まことと一緒にいられる時間も銀太郎からするとほんの
短いものなのだろうが、短いだけに今という時間を大切にしているようにも見える。
やがてまことも恋をして、結婚して、子供を作って、年老いていくのだろうが、そういった
先々のまことと銀太郎のやり取りも見てみたい気になった。
この銀太郎以外にも、まことの父の達夫など、結構大人の描き方がいい。いわゆるヒーロー
的なカッコ良さとは違う、人生経験を経たカッコ良さを持っているキャラが多い。
ストーリー展開的な部分以外だと、神社の日常や「夏越の祓」のような神事の描写が興味
深かった。
この辺は観光地的な大きな神社と違って、あくまで地域に根ざしたもので、神社がそこに
住まう者のための存在であることがよく判る描写だった。