「銀河鉄道999-The Galaxy Express 999(アニメ映画)」

総合得点
74.9
感想・評価
179
棚に入れた
925
ランキング
861
★★★★☆ 4.0 (179)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.1
キャラ
4.0

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ネタバレ

雷撃隊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

和製アニメの基礎問題集のような映画

このところヤマトが活発なので999についても振り返りたいと思います。

映画999は「999をメインに据えたオールスター映画」と言った方がしっくりくる。鉄郎、メーテル、車掌さんに加えてキャプテン・ハーロックやエメラルダスもレギュラー出演しているのでお得感がある。これを見れば松本ワールドが頭に入るぞ。

ロードムービーありラブロマンスありガン・アクションあり宇宙艦隊戦ありで見ていて飽きない。

乗り物好きのオイラは999号が大好きだ。レトロな機関車のパーツの隙間から未来的なメカニズムが覗くのがなんともクールだ。テツという訳ではないけれどもSLのC-62という車種をこれで知った。SLというとなんでもかんでも「D-51だ」という奴がいると怒りたくなる(笑)。ちなみに軍艦は「みんな大和と同じじゃん」という輩がやたらと多い。

鉄郎やハーロックたちの「男たるものかくあるべし」なんて言い回しに時代を感じる。まあ大人映画の世界も「昭和残侠伝」や「緋牡丹博徒」だったし相対的に似たようなものだろう。

近年の萌えアニメやエロゲーにすらパロディーの元ネタに使われているのだからやはり名作だ。さながらアニメ文化の基礎問題集の一角だ。

本作のテーマは「テクノロジーに飲み込まれて人間性を失うか心を持った人間でいられるか」「生身の命の尊厳」だろう。発達しすぎる機械化への警告はSFの永遠のテーマだ。無人戦闘機の開発なんて報道を聞くと999の警告通りで恐ろしい。

作画は30年以上昔なので評価は甘め。しかしモデリングデータなんて便利なものが無い時代によくぞここまで、と感心する。昭和のスタッフの立体把握能力は今よりも上だろう。漆黒の宇宙空間を疾走する999のかっこいいこと。銃撃戦の弾道も迫力満点だ。戦艦アルカディア号の戦闘は伝説的アニメーター金田伊功氏の技が炸裂。主砲、魚雷発射管、対空砲まで細かく描き込まれていて芸が細かい。手書きによるCGとは違った迫力がある。CGだろうがセル画だろうが画面構成と演出がモノを言うのだろう。

ここで登場するアルカディア号は緑バージョンと言われるタイプだが「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」に登場する青バージョンとはデザインが違っている。もともとはスクリーンに映えるようにとの変更だったが後にオプションを換装したコン・バージョンモデルとの公式設定となる。
青は2号艦、緑は3号艦で1号艦は「わが青春のアルカディア」に登場する。

キャストについては非の打ち所が無い。野沢雅子、池田昌子、肝付謙太、井上真樹夫、田島玲子と今となってはみんな大御所だ。でも昔の声優さんは大役というかすぐに判る役が多い。池田昌子なんかメーテルとオードリー・ヘップバーンの吹き替えやってる人、といえばファンじゃなくてもすぐにピンとくるだろう。もう一人、映画999といえば忘れてならないのがナレーターを務めたカリスマDJ・城達也の存在だ。ジェット・ストリームの人といっても知っている人も少なくなったなー・・・
「今、万感の想いを込めて汽笛が鳴る、万感の想いを込めて汽車が行く」やはりこの文章が印象的で理屈を超えたロマンを感じる。

ゴダイゴの主題歌もみんなが知ってる名曲だ。でもEXILEによるカバーは名曲クラッシャーだ、ふざけんな!!

70年代は流石にアニメブームということもあり名作多し。アニメ文化の基礎知識が詰まった作品が沢山ある。古いと言って食わず嫌いは勿体無い。999号よ、いつまでも走り続けろ。

投稿 : 2014/12/13
閲覧 : 379
サンキュー:

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