Lovin さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原案:山本寛
原作:Green Leaves
監督:山本寛
脚本:待田堂子
キャラクタデザイン:近岡直
制作:Ordet×タツノコプロ
主題歌:「タチアガレ!」
by Wake Up, Girls!
{/netabare}
■感想
TV版は視聴済み、レンタルDVDを視聴。自称アイドルになる話。
2014春期にTV版が放映されたロコドルアニメの、グループ誕生のドラマを描いており、見覚えのあるシーンが満載の作品。一般的には評価が低いように思うが、アレでは確かに評価が低くても仕方が無いと思う。作中でも幾度と無く「どいつもこいつも東京、東京」のような発言を耳にしたが、この作品自身が正にそれだと感じた。
宮崎駿のような、国民的知名度のある監督が劇場アニメを手がけるというのは理解できる。だが山本寛は、有名だとは思うが、それは所詮アニメに興味のある人達だけで、その大半はヲタクである。アニメとしては有名作品になったらき☆すたの初期の監督だという事実は、らき☆すた自体の知名度よりは低い筈である。
そういう人が何の知名度も無い原作を手がけても、アニメにそれほど関心の無い層に振り向いては貰えないだろう。それを切り崩せる、という戦略がヤマカンにはあったのかも知れない。だが結果としては、成功したとは思えない風に見えてしまう。楽しめたのか否か以前にあまり観られていないと感じる。
物語としては、彼女らが所属する事務所の最後のタレント(サファイアれいこ)がクビになるシーンから始まる(正確には主人公のモノローグが先ではあるが)。罵る社長を尻目に、無能な松田はTVに夢中。通話を終え、多少落ち着いた社長の目に飛び込んだのは、松田が夢中になって観ていたアイドルのコンサート。
「金のニオイがする」とロコドルグループの結成を宣言し、あの手この手でアイドル候補を集めることに。作中にロコドルという発言は無いが、「まずは地元から」という思想や、本編のTV版に描かれる結成初期の活動は、ロコドルそのものだと思う。
私がよく目にした「パンツアニメ」の謗りには、若干ながら肯けるものがある。見えそうなシーンのアングルが結構アグレッシブだった。だが、私個人の「パンツアニメ」という言葉に対するイメージほどエロさは感じない。それに、見せ付けるようにパンツを捉えているのはライブシーンのみであり、普段から見せまくっているわけではない。
私はこの作品を楽しむことができた。理由は、TV版の視聴で概ね想像できて居たこと、そのためファンディスクに収録された回顧録的な位置付けであったことだった。TV版OPのサビ辺りの砂浜で踊るシーンと、ラストの見ている夢が描かれたシーンは新作カットだったが、それ以外の殆どはこの劇場版から引用されている。
こういうのを俺得というのだろう、EDは劇場版らしいエンドロールへの入り方であったが、ここでは主題歌である「タチアガレ!」のフルコーラス版(だと思う)が聴ける。また、みにゃみの拳(コブシ?)回しが聴けるのも、劇場版だけのオリジナル。
結論的には、再び主人公が前を向いて歩き出す始まりの物語で、ハッキリ言って盛り上がる部分が少ない。私は楽しむことができたけれども、胸を張ってすべての人に奨められるほどの作品ではなかったと思う。
■蛇足:{netabare}
劇場版の視聴により盛り上がってしまい、TV版の復習を始めたが、一寸期にあることがあった。
それはグルメレポートと天気予報の後、いつもの居酒屋で社長と松田が飲んでいるシーン。
酒を飲み干した社長のグラスが、まるで超能力が働いているかのようにゆっくりスッと落ちる。
{netabare}今まで普通にWUGメンバーは同い年だと思っていたが、
メンバーには13歳の中学生が居る模様。寄せ集めのだから当然といえば当然なのに。
{netabare}サファイアれいことの通話後に社長が投げつけたスマホには男坂と書かれている。
男坂といえば・・・いや、皆まで申しますまい。
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