みかみ(みみかき) さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
一話断念
一話無料だったので観ました…。
えー、まあ、もはや伝統的とすら言える、コテコテのハーレム系ファンタジーの装いで、全てのキャラクターがステレオタイプに描写されておりますので、「ああ、このタイプの作品かぁ…」としみじみとしたところで、まあ、この作品は、まあ伝統芸能の一種を鑑賞したということで、一話止めをさせていただいた所存です。
30年前だったらこういうタイプの中高生の欲望に忠実なファンタジー系作品で出来のいいものというのも、そこまで多くなかったので、こういうのも希少価値だったとは思うのですが、さすがにもうこの2014年においては、この手の作品は本当にあふれかえっているわけです。…にも関わらず、この作品の原作がライトノベル業界である程度まで評価をえるところまでいって、アニメ化までされるにいたったというのは、中二マーケットのメカニズムというのはすごいなあ、と思わずにいられません。
この手の、なんちゃってファンタジーのハーレムものとか、もうたとえばファイアーエムブレムとかそういうのを「古典」としてしまって、歌舞伎とか能みたいに再演でもすりゃいいんじゃないの、とか思ってしまいますが、歌舞伎とか能と違って、80年代のファンタジー作品はまだ著作権のこってるから、ベースにする場合はライセンス料が必要になるのでしょうね。そこのところのライセンス料を考えると、まだそこまで高値ではないライトノベル作家の作品をベースにしたほうが、ペイするという計算なのでしょうか。新規IPをゲットしたいという思惑が、KADOKAWA/メディアファクトリーさんにはまだあるのでしょうか…。
いやぁ、もういいんじゃないかなぁ、こういうタイプの新規IPは…。新規IPならなんでもいいってもんじゃないでしょうに…。
こういう作品が何度も何度も出てくるのは、KADOKAWAの会社組織内での業務フローが固定化しているがゆえの問題なのではないか、という気がいたしますね。
もちろん、KADOKAWA社内のそういった業務フローを通じて常に安定した収益を一定程度までつくることもできているのでしょうし、新人ライトノベル作家や、新人アニメーターが最初にトライするルートとしてはこういうルートが存在しているというのも重要なのかもしれません。ですから、事業的にはわるいことじゃないんでしょうね。
しかしながら、お客向けのシグナルとしては、ちょっと、わかりにくいので、できれば、もうなんか、こういう作品群について、KADOKAWAさんは何かしらのブランドをつけて展開してくれないだろうか。ハーレクイン文庫とか、ああいう感じで、そうしていただけると、「ああ、はいアレ系ね」的な感じでわかりやすくなるかと思われます。
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もっとも、そもそもを言えばライトノベルという商売自体がもともとは、この手合の中二作品をメインにしていたはずなのですが、ライトノベル業界から、妙に才能のある素晴らしい作家さんがちょいちょい育ってきたせいで、「ライトノベル系」というくくり自体が、カテゴリーとして機能不全を起こしているということなのかもしれませんが。
まあ、そういった最近の『ライトノベル系」作品の幅の広い展開のなかでも、この作品は、伝統的なコテコテラインできましたよ、ということで、誰かあらためて、名前をつけてほしい