「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(アニメ映画)」

総合得点
67.5
感想・評価
165
棚に入れた
923
ランキング
2441
★★★★☆ 3.8 (165)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
4.0

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

クレしん映画史上No.1アクションエンターテインメント!前半の「静」と後半の「動」が物語にメリハリを生み、シリーズ中最高の盛り上がりをつくりだしています。

前作のヤキニクロードが微妙だったので同じ監督の本作はあまり期待せずに視聴したのですが
いい意味でその期待を裏切ってくれました、
ヤキニクロードが焼肉を食べるために問題に立ち向かうというシンプルな設定なのに対して
この作品は春日部防衛隊のメンバーと野原一家が春日部座という映画館で流れてた映画に吸い込まれ
その映画の住人となってしまうという一風変わった設定になってます。
西部劇のような街並みに荒野といった世界観に徐々に春日部での記憶をなくしていくキャラクターたちなど
思わず見入ってしまうような設定が功を奏してますね。

映画の世界にはすでに吸い込まれた元春日部の住人たちもいたりして、
メインキャラクター以外の被害者も多数いる事でスケール感が増してるように感じました。

あれだけ仲の良かった春日部防衛隊の仲間がしんのすけを忘れ、
映画の住人としての役割を淡々とこなしてる姿は悲しいものがあります。
完全に忘れきれてない設定とかうまいところを突いてくるなぁと思いました。
その最後の記憶をなくしてしまったときの絶望はより深そうですもんね。

流れに身を任せ忘れていくマサオくんとネネちゃん。
自ら進んで忘れようとする風間くん。
忘れないように世界に抗うしんのすけとボーちゃん。
時間のとまった世界で彼らの時間が奪われていくというのは皮肉な話です。
ボーちゃんが結構おぼえてくれてたのは嬉しいけど
そんなボーちゃんやしんのすけが徐々に忘れていく様子というのは子供向けとしては
ちょっぴり重い展開ですな、まぁ大人が観るからこそ重く感じてしまうのかもしれませんが。

最初は脱出を試みようと模索する野原一家だけど打開策もないまま日々淡々と生活するだけに。
時間がとまった世界での毎日を描写し続けるだけでも視聴者の焦燥感を煽ります。

世界の時間がとまってるのは続きがないから…帰るためには映画を完結させる。
そこに気がついたとき今までの淡々とした暮らしに終わりをつげ、
キャラクターや物語が怒涛の動きを見せていくことになるのです。
映画を終わらせて元の世界に帰るんだ!というキャラクターたちの熱気が
観てる側にも伝わってくる勢いでシリーズで一番燃える作品だと思います。
「夕陽のカスカベボーイズ」というタイトルが
そのまま作品内の映画のタイトルに当てはまるんじゃないかというくらい大活躍の春日部防衛隊。
映画の世界だからこそ成せる幼稚園児5人のヒーロー誕生…
悪を打ち滅ぼすためのパンツを身にまとい、
いまだかつてないアクション、チームワーク、達成感を観てる側に与えてくれます。

終盤にそんな熱い展開がありながらもこの作品は「静」で終わるのです。
構成的には「静」「動」「静」という感じで一本調子にならずメリハリのきかせかたが上手で
映画を終わらせるために必要不可欠なギミックも素敵でした。
個人的にはオトナ帝国にも負けないくらい良作だと思います。

【A80点】

投稿 : 2014/12/12
閲覧 : 415
サンキュー:

2

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