Lovin さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
監督:佐藤竜雄
助監督:桜井弘明
キャラクタ原案:麻宮騎亜
キャラクタデザイン:後藤圭二
制作:XEBEC
話数;2クール全26話+番外編1話
OP:「YOU GET TO BURNING」
by 松澤由実
ED:「私らしく」
by 桑島法子
{/netabare}
■感想
DVDを視聴。宇宙を暴れまわる話。
火星に移住を始めた人類に対し、突如として木星から襲来する”木星トカゲ”の襲撃を受ける。地球連合軍は迎撃するも、圧倒的に高度な文明を持つ木星の無人兵器の前に、月面への敵の侵攻を許し、現在では地球が戦場となってしまった世界。不甲斐ない軍に変わり、一民間企業のネルガルが軍の所有する戦艦よりも高性能な機動戦艦ナデシコを以ってこれを迎撃する。
以前観たときに抱いた印象とは、全く違った印象となった作品だった。以前は前半はラブコメだが、後半直ぐに主人公が振られてシリアス一直線になるという印象。でも改めて観ると、終始コメディタッチで、最後の最後までラブコメだった。
何より印象的なのはヒロインのミスマル・ユリカだ。それなりのポジションに居る軍人の一人娘で、学生時代は主席だったくらい艦隊の統率には非凡な才能を持っている。しかし、我侭に育ったため性格は唯我独尊そのものであり、主人公から受ける再三の拒否反応に対しても常にポジティブに考えてしまう。
主人公は、元パイロット現コックのテンカワ・アキト。火星育ちの彼は、木星トカゲに襲撃を受けた際のトラウマにより、戦闘が始まると震えが止まらなくなる。だがその実、ゲキガンガー3なるヒーローアニメが大好きで、思い込むと突っ走ってしまう無鉄砲さも持つ意外に熱い少年だ。
そして準主役でありながら、本作を代表するキャラに上り詰めたホシノ・ルリ。高い資質と幼少から受けた英才教育により、非常に高度な知能を持っているが、彼女の口癖は「馬鹿ばっか」。ナデシコの中枢である「思兼」とは非常に親密であり、その仲良し振りはクライマックス直前で火を吹くことになる。
その他、未許可の改造屋、声優、元軍人など様々な経歴を持つナデシコのクルーは、ネルガルに雇われた民間人であり、地球連合軍に属する軍人ではない。だが、クルーに限ったことではないが、意外に殉職者が居る。2クールなので多いとは言えないが、「実は生きてました」というパターンは殆ど無い。
キャストは15年程前ということを考えると懐かしい面々だろう。主人公は上田祐司、ヒロインは桑島法子(くわしまほうこ)、毒舌少女は南央美、ヒーローかぶれは関智一、スカしたイケメンは置鮎龍太郎、森川智之や川上とも子らも名前を連ねていた。
OPは少し小洒落ているアップテンポな曲で、SFロボットものという作風には合っているが、ラブコメには少し合わない気がする。EDはまあ、桑島さんにもアイドルとして売り出そうとしていた時期があったのかも、と思わせる曲だ。
作画は中盤から若干おかしくなる。顔の輪郭が歪だったり、このキャラってイケメンだった筈なのに・・・と思ってしまう、スレイヤーズ辺りにある、妙に顎がしゃくれた輪郭に変わる。当然のことながら、終盤は違和感を感じなくなるが、中盤での崩壊具合は一寸頂けない。
何となく何かが気になって観始めたら、一晩で完走してしまうくらい、シリアスとラブとコメディのバランスはよくて今観ても面白い。これは一応ロボットも出てくるが、私のようにロボものが苦手ておいう方にもお勧めできる、サイエンスフィクションラブコメディだったのかもしれない。
■蛇足:{netabare}
懐かしい時代の作品なので、OPとEDスタッフには注意して観た。
桜井弘明の名前を目にしたときは、少しばかり震えた。
しかし一番気になったのは「宮崎アニメーションスタジオ」だった。
これをググッってみたのだが、ジブリばかりでなかなかヒットしない。
彼是工夫してようやくたどり着いたと思えば、親会社はトランスアーツ。
撮影を請け負っていたようだが、2012年に破産手続きを始めたらしい。
{/netabare}