無毒蠍 さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
子供向けと侮るなかれ…ハリウッド映画並みのプロットをクレしん流に組み立てていくと本作のような完成度に達することを示した良作です!
秘密組織のエージェントと一緒にいたためにしんのすけと春日部防衛隊の面々は
悪の秘密結社「ブタのヒヅメ」にエージェントもろともさらわれてしまうのですが
さらわれたしんのすけ+αの視点と
しんのすけを救い出そうと躍起になる野原一家視点に二分割され双方に違った味わいがあり楽しかったです。
しんのすけがさらわれてから一家四人そろうまで非常にスピーディーに目まぐるしく展開していきます。
今までの作品の中でも特に無駄のない構成、演出がほどこされており飽きにくい工夫が随所に感じとれました。
終盤ではしんのすけの創作物であるぶりぶりざえもんが
敵に未知の核ウイルスとして悪用されるという超展開からまさかのホロっとする感動展開になり、
いままで笑わせてもらったぶりぶりざえもんに泣かされてしまうような演出がなされています。
塩沢さんはやっぱすごすぎるよね、三枚目が急に二枚目になるんだもん。
ぶりぶりざえもんの哀愁は塩沢兼人さんだからこそなんだと実感させられました。
ぶりぶりざえもん以外のキャラクターも個性派ぞろいでしたし、
それらを演じた役者さんも山寺宏一さんに三石琴乃さんなど今考えると豪華な顔ぶれです。
今回の戦うヒロインは三石琴乃さんが演じたコードネーム「お色気」
正義のエージェントというだけあって、
今までのヒロインの中で一番アクションシーンが映えていましたね。
バツイチで子持ちというキャラが立つ設定もあり印象深い存在でした。
しんのすけの無事を野原家に伝えに来たことによりそこからしんのすけを助け出すまで
野原一家とはながい付き合いになるコードネーム「筋肉」
冒頭のひろし&みさえVS筋肉のシーンは笑ったw
そういえばこんなシーンあったなぁwと懐かしさを感じながらも笑ってしまいましたよ。
絵のタッチが劇画調になると笑っちゃうね。
子供向けにしてはギャグのセンスが高いから参っちゃうぜ。
本当クレヨンしんちゃんは侮れませんよ。
今までの作品の中では珍しく春日部防衛隊の活躍もあります。
ボケとツッコミが交錯する春日部防衛隊の面々は観ていて安定感がありますね。
この作品は肉弾戦、銃撃戦、空中戦、ウイルス、脱出劇に笑いに感動など
わずか100分の上映時間に凝縮された至極のクレしん流エンターテインメント作品だと思います!
【A80点】