STONE さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
熱さと勢いで突っ走る
とにかく勢いと熱さを感じる作品で、この雰囲気は主要スタッフが同じ「天元突破
グレンラガン」を思わせるものがあるが、グレンラガン以上に感じるのは70年代のアニメや
漫画からの影響で、絵のタッチやある意味お馬鹿とも言える設定はもろそんな感じ。
舞台設定は「男組」だし、喋るセーラー服の鮮血は「ど根性ガエル」を思い起こさせるし、
永井豪のテイストなんかも随所に感じさせる。
主人公の纏 流子のスケ番風の容姿、言葉使いなども昭和的色合いを強く感じるものだし、
ハチャメチャなバトルは70〜80年代の週刊少年誌の超人バトルみたいで、全体的には親父心を
くすぐるような感じだが、今の時代にこういう作風で臨むという姿勢はある意味凄い。
もっとも個性が強い分、好き嫌いがはっきりしそうではある。
序盤のテンションの高さに「これを2クール維持できるのか?」と思っていたが、この
テンションをずっと保ちつつ、話のスケールはインフレの一途を辿り、最後は大盛り上がりと
なってエンド。多少の粗はあるものの勢いでそれを蹴散らしていった印象。
ただ、テレビ放送時の週一視聴ではそれほど気にならなかったが、まとめて視聴するとこの
常にテンションが高い状態が一本調子に感じられることも。
勢いだけでなく、ストーリー展開や設定はていねいに作られている印象で、細かい伏線も
ちゃんと後で生きてくるところは好感が持てた。ファンサービス的要素である鮮血の露出の
多さもちゃんと設定があるとは・・・。
展開自体は予想外なものは無かったが、逆にコテコテの王道を見せつけてくれる感じで、
3話にして流子と鬼龍院 皐月の頂上対決があったりと出し惜しみなしといった印象。
更に流子と皐月の神衣交換、流子と皐月のダブル変身、満艦飾 マコの喧嘩部特化型二つ星
極制服の復活など、視聴者が見たいなと思うようなものを拾って見せてくれるというサービス
精神にも溢れていた。
コメディ要素としては、「ハレルヤ」のBGMで始まるマコの詭弁とも言うべき主張や、
美木杉 愛九郎の脱ぎなど、お約束を楽しむ天丼ネタが強く印象に残った。あと細かい部分で
結構パロディがあり、それを捜すのも楽しい。
バトルシーンにおいては結構グロい要素があったりするのだが、全体的にコメディ風の空気感
漂う作品のうえ、グロいシーンを極端にデフォルメさせたり、そういったシーンも展開の勢いに
引っ張られるためか、特に残虐な印象はなかった。
キャラはいずれも非常に魅力的でよく立っていた印象だが、あえて一人挙げるならマコ。
一番のコメディ要員でありつつ、ストーリー展開を動かす側面もあり、このマコの
テンションの高さが、そのまま作品のテンションに繋がっていたような印象がある。
また、個々のキャラだけでなく、関係性もよく描かれており、流子とマコ、服でありながら
個性抜群の鮮血と流子の友情なんかは良かった。
流子とライバルである皐月の対立から協調への流れも定番ながらいい感じだし、この皐月と
生徒会四天王の結びつきの強さも見所の一つといった感じ。