「イヴの時間 劇場版(アニメ映画)」

総合得点
78.3
感想・評価
1416
棚に入れた
7630
ランキング
562
★★★★☆ 3.9 (1416)
物語
4.1
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

当時のCG技術が巧みに駆使されています

CGというのは特撮モノの爆発だとか、最近だとよりリアルに似せていたるところに使われています。
このイヴの時間ではリアルさよりもむしり物語の雰囲気に合わせて少しアレンジされていて、とてもいいです。

この映画は近未来が舞台で、ロボットが人間の補助をするのが当たり前な世界です。ロボットがいない現在でも様々な観点から人間とロボットの距離感というものがうまく表現されています。

-物語について-
高校生の主人公が家事ロボットの不審な行動記録に気付き、それを疑問に思うところから始まります。イヴの時間という喫茶店の「ロボットと人間を区別しない」というルールから色々な物語に繋がっていきます。

-作画について-
3DCGが多用されていますが、近未来が舞台であるということもあり少し現実離れしたCG技術というものが非常に作品に調和しています。人物の作画は淡白でCG主体というのが伺えます。

-声優について-
イメージに合ってます。演技力があり、没入感を与えてくれます。

-音楽について-
印象的です。ボリュームによって表現が深くなっています。サウンドトラックもBGMとしてではなくインストゥルメンタルとして聞いてみても味わいがあります。

-キャラについて-
会話が主体である作品なので会話のテンポがよく練られていると感じました。感情の揺れ動きが短時間で大きく変化してすこし急に感じる時がありましたが、演技でなんとか感情が伝わってきました。


携帯電話がこれほど普及した現代で、次にやってくる時代は家庭用ロボットの普及であろうとおおよそ推測できますが、こういった作品は今一度、技術進歩によって開発、制作されたものの便利さという側面だけを見ることではなく、その裏側、それが人間に、社会に与える影響を考えるべきであると感じました。マサキのお父さんのロボットに対する危機感も頷けます。

どうもまだ作品中で語られていない裏話的なものもちらほら残っていたので、漫画を読んでみました。あまり内容は変わりませんでしたが、漫画のほうがより深くまで突っ込んでいるかなという印象です。

それと、元々6話で放送していたものをほぼそのまま劇場版にしていたので、ただノンストップで30分アニメを見た感じでしたのでそういうところはもう少し工夫できたのではないのかなと思いました。オリジナルのストーリーを間に入れてみたりだとかで。

長々と書いてきましたが、全体的に雰囲気がとても良かったです。人間的なやりとりの中で物語が発展していくので、普段本とか、長い文が読めないといった方は映画の表面上だけ捉えてああつまらないなと判断してしまいそうな作品ですが、ある程度智見がある方でないとこの作品は合ってないでしょう。こういった作品が70点代というのはとても悲しい限りです。是非ご覧になって、作品の素晴らしさを感じ取って欲しいです。

投稿 : 2014/12/04
閲覧 : 294

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