woa さんの感想・評価
1.0
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
海中に舞う想いの欠片
2013年放送。全26話。5話まではなんとか見れるアニメである。全般的にソープドラマのような茶番劇である。
自分が帰属している社会を見るには、その社会とは別の社会に属すしかないという話。人間関係は、要するに叶わないものを望むことに対しての現実的な解答であり、登場人物たちは当初の奇形的な願望を捨て、無難な関係に落ち着く。
舞台である漁港は縮小し造船所の跡地は駐車場になるような、閉鎖していく過程にあり、主人公たちの廃校になった母校や塗装の腐食した表示物や建造物にはなかなか趣がある。
エナという人を胎児のように未分化な状態にしておく繭を、最終的に主人公たちは破ることなく、羊水であるところの海から揚がることもないのである。
変わるも変わらざるも自由とこの作品の主人公は言うが、そうだろうか。人は状況への対応の仕方も変えなければならないし、周りの状況は日々変化しているのだ。そして人の想いほど移ろいやすいものはないのだ。
現状維持や懐古趣味を望むようなことは感性の劣化、現実からの逃避、真の願望の否認なのである。それこそ寒冷化でアニメ世界もろとも滅びるしかなくなるだろう。
このようなアニメの現状に対して必要なのは、産婆のような外部(他業種)からの働きかけだろう。