どらむろ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
喰霊作者原作のアニメ。真摯な物語だが些か地味
喰霊(がれい)、アニメ的には喰霊零の瀬川はじめ先生の漫画が原作。
超能力者が出現して社会に軋轢が生じる系のストーリー、正義感の強い主人公の少女が苦悩しながら悪と戦っていく感じ。
能力バトルよりも格闘戦主体、真摯な信念や仄かなラブコメ等見るべき点は多いものの、全般に些か地味な物語だった。
{netabare}『物語』
「絶対可憐チルドレン」や「ハマトラ」等と近い系統のジャンルか。
東京中に出現した光る魚に触れた者が超能力を得る設定、後天的に突如異能の力を得た者達の暴走や社会との軋轢、その最中で超能力を得た少女・漆葉 リンカ(うるしば りんか)が、強い正義感や信念を持ってヒーローを続けていく…
も、厳しい現実に挫折したりの紆余曲折が物語の醍醐味か。
リンカの心情や迷いを真面目に真摯に描いたストーリーは中々に説得力があった。
憧れの先輩・東京太郎(あずま きょうたろう)と意気投合して次第に惹かれ合うラブコメはピュアで萌える。
この世界を恨む悪の超能力テロ組織と対決していく展開。
敵ボスが世界を恨む理由はまあ分からなくも無い悲惨なモノではあるも、逆恨みですなぁ。
陳腐でありがちなインテリテロリストな印象だった。
敵の思想が理解不能なので、敵ボスの問い掛けにイマイチ説得力を感じ無いのが難。
リンカと仲間達が立ち向かうのだが、能力バトルとしては地味かつボコボコにされて敗北繰り返す等、ややフラストレーション溜まる。
それでも屈する事無く成長していくリンカには共感出来た。
原作途上で終了、2期あれば良いのだが、2期が無いならば中途半端。
全般に苦悩が多く、爽快感には欠ける。
とはいえ丁寧で真摯なストーリーで、十分面白かったです。
『作画』
比較的リアル路線で萌え分は少ない。
割と好みのキャラデザ、バトルは地味だが作風には合っている。
リンカがガチでボコられるシーンが多いのが、良くも悪くも特徴的。
『声優』
木戸衣吹さんの、苦悩するヒーロー少女の揺れる心情が良く出ていた。
ベテラン陣の層が厚い。
『音楽』
雰囲気は合っていたような。特に印象は無し。
『キャラ』
今時流行らない「正義の味方」たらんと傷付きながらも戦う主人公のリンカが可愛かった。
ありがちな安い自己心酔の正義ではなく、様々な困難を乗り越えて苦悩していくのが良い。
東さん(男だが本作のヒロインポジ)もイケメン、彼らが真摯に正義に向きあうラブコメが本作の肝だった。
リンカの仲間達がユニークで、キャラの魅力は中々。
小節(こぶし)ちゃん、昨日の敵は今日の友でリンカ父ベタボレ等、彼女が一番印象に残った。
敵ボスの教授は、ありがちな狂ったインテリテロリストな印象しかない。
教授の娘の美奈実がクーデレ可愛かった。{/netabare}