disaruto さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この世界にヒーローは必要か?
制作はタツノコプロのオリジナルアニメです。
ジャンルはSF・バトルアクションです。
監督は「モノノ怪」「C」等で知られる中村健治氏。
異星人を撃退する秘密部隊・ガッチャマン。
一ノ瀬はじめは突如目の前に現れたJ・J・ロビンソンより謎の手帳「NOTE」を授かり、ガッチャマンとなる使命を受ける。
彼女は立川「CAGE」所属のガッチャマンとなり、任務を遂行していく。
「ガッチャマン」の実写映画が公開される際、おまけみたいな感じで作られた本作。
昔やっていた「ガッチャマン」をイメージするとちょっと驚くかもしれません。
体裁はバトルものですが、描かれる内容は非常に社会派。
“今”を切り取ったような作品なので、興味があればお早めに。
鍵となってくるのはSNS。
世界を“アップデート”するために登場人物が利用します。
作中では「GALAX」と呼ばれ、かなり一般的に浸透している模様です。
ネットに関するネタと言えば「ネット選挙」とか解禁されましたよね?
ネットバーナー・SNS・メール(各種制限付き)とかで選挙情報を伝えるとかいうやつです。
でもあれって、大して効果無いと思うんですよ。
だって選挙自体に興味が無かったらそんな情報は頭に残りませんからね。
つまり、どんな情報媒体が浸透したってそれを利用するのは“人”です。
“人”の意識が改革されなければ、意味はないのでは?
本作でもネットで集結する力の強さが大いに示されているわけですが、ふとした拍子にあらぬ方向に動いてしまう。
行動指針が強固でないと、ネット社会では大きな弊害に成り得ると。
“ネット万能説”は時代錯誤であると。
結局この世界を動かすのは一人一人の強い意志であり、誰でもヒーローに成り得ると。
そんなことを伝えたかったのかなと勝手に考えましたw
本作の難点として、問題提起自体は良かったのですが、まとめ方が雑な点。
明らかに終盤の尺が足りていません。
(発売されたBDには修正が加えられているとか何とか)
またこの手の作品における最大の弱点となりかねない、一般人の描き方。
どうしてもただの烏合の衆にしか見えず、イラつく場面が少々。
もうちょっと論理的な行動をみせて欲しかったかも。
立川市民はもっとインテリですよw
総括して、時代を切り取ったテーマ設定・問題提起は優れていましたが、広げた風呂敷を畳み切れなかった印象です。
でもネット社会全盛の現在、見てみると興味深い所も多々あると思いますよ。
一つ、物思いに耽ってみてはいかがでしょうか?
どうでもいいですが、EDテーマは主人公はじめを演じる内田真礼さんが歌っています。
最初聞いたときは役柄と違い、マジ歌すぎて笑ってしまったw