「ソードアート・オンライン(TVアニメ動画)」

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woa さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0
物語 : 1.0 作画 : 1.0 声優 : 1.0 音楽 : 1.0 キャラ : 1.0 状態:途中で断念した

オタクの願望を投影した作品

2012年放送。全25話。2話で断念。

異世界漂流ものだが、この作品の場合ネトゲが舞台である。

フィクションにおいて人の命は軽いものとして扱われるが、SAOでは輝く粉じんとなって宙に舞うのである。電子世界においては質量保存の概念は存在しないのだ。

また、食事においてはまずいパンにつけることで美味しさを実感させてくれるクリームも、ネットゲームの景品である。この場合の主人公がヒロインに差し出すクリームパンの味というのは、ネットゲームを通してしか味わえない感覚なのだろう。

これはパソコンの前から、排泄の際にも離れることのない廃人的な考え方を良く表している。人間がパソコンを利用しているというより、人間はもはやパソコンの周辺機器なのだ。

匿名のサイトなどで、話し相手がプログラムなのではないかという錯覚が起きることがあるが、あれは懸念というよりも、自分自身を機械になぞらえたいという願望を投影した現象なのである。

そして主人公は「自分は周りの人間とは違う。」と嘯くのであるが、確かに今までの人間観とは違うだろう。周りの人間と違うのは、大体の人間がそうなのであるが、それでも相互に依存しあっていることはSAOにおいて、ソロプレイには限界がある理由なのだろう。

しかし、ゲームという媒体においてはソロプレイではないということなのだ。ネット上の関係がリアルに入ってくると問題が起きる場合が多い。結局、パソコンの前に座っているのは、常に自分ひとりだけなのだ。

ご都合主義的な躁展開、何をしても許容してくれそうな自我無きヒロイン、無難であるとともに何の個性もないキャラデザ、限りなく受動的な主人公。

SAOのゲームやアニメという人間を含む異質なものや非合理的なものが、構造的に排除された世界において重要なのは、主人公の冒険や成長も構造的にサーキュレートされたものだということだろう。

【断念した理由】

自分はもっと古典的な心理描写に世界観を絡めて浮き彫りにするような作品が好きなのである。異世界漂流ものなら、天空の城ラピュタが名作だろう。

ゲームを攻略するパートナーから恋愛関係に発展するという「設定」は、予定調和過ぎて許容できない。

投稿 : 2014/11/29
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サンキュー:

8

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