woa さんの感想・評価
1.0
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:途中で断念した
アイドルは現実逃避ではない。
廃校という学園の危機に際して、有志の生徒たちがアイドル活動を行うことで反対意思を表明するという話。
このように話自体は陳腐な青春ドラマそのものである。
キャラクターにも魅力は無く、ステロタイプな物言いしかしないので、感情移入は不可能に近いだろう。単純すぎて気持ち悪いのである。
ではこのアニメの長所は何だろうか?
一言でいうなら不真面目さである。例えば、学園の危機といっても廃校になるのは自分たちの卒業後でただ単に新入生が入ってこなくなるだけと緊迫感に掛けるし、彼女たち自身がアイドルになろうと思ったのもただ単に目立ちたいからというそれだけの理由なのだ。そのためほとんど練習もおふざけ程度にしかやらないということになるのである。
これはどういうことだろうか。実際にアイドルという職業が枕営業やそれに類似した接触行為を伴う、一種の風俗産業であることは明白である。自分は風俗産業関係者を非難するつもりはないが未成年をアイドルという甘い言葉で過酷な大人の社会に連れ込む手口はどうも賛成できないのである。
実際に巨大なマーケットがある以上、青春などという感傷的な言葉で済む問題ではない。勉学とどれだけ両立できるものなのか、メディアに露出することが感情形成期の少女にどのような影響をもたらすか。客もマネージメント会社も「大人」の論理で行動しているのであって、彼女らの意思決定はどの程度保障されうるのか。不透明な部分が多いのも芸能界なのである。
たとえば某48グループのファンサービスなどは会いにいけるアイドルというより学生を使ったキャバクラである。法律に違反しているのだ。普通なら完全にアウトである。お触りも自由という点ではキャバクラよりも悪質かもしれない。
学園生活を送りながらアイドル活動も両立するというのは、必死でアイドルをやっている人間に対しても失礼なのではないか。
何かをするには別に何か(時間、労力、お金)を犠牲にしなければならない。アイドル活動も、青春も、学校もという何でもアリは単に不真面目なのである。
このような現実逃避はアニメなら許されるのだろうか?
自分は過酷なアイドルの日常こそアニメにするべきだと思う。