蒼い✨️ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
心を揺さぶられた作品。
CLANNADの続きの物語。
サブストーリー4編+主人公・朋也の高校卒業+その後の人生という構成になっています。
はい!正直に言いますとサブストーリーのうち、春原とサッカー部の揉め事&不良グループ同士の諍いの2つは、
大して面白くありませんでした。春原のエピソードでの早苗さんの変装は破壊力抜群でしたけどねw
この作品の特徴の一つに、“人は弱さや苦しさから過ちを犯してしまう”というのがあるのですが、
サッカー部は徹頭徹尾、登場した全ての部員が見た目も性格もクズなチンピラとして扱われていましたね!
過去のいきさつも含めて、誤解や偏見や感情のもつれで春原とサッカー部が対立しているだけでしたらともかく、
演出と演技のおかげで徹底して陰湿で邪悪な連中としてサッカー部が表現されていまして、
これでは、『サッカー部酷い!』じゃなくて『原作脚本家は運動部に恨みでもあるのかな?』と勘ぐってしまい、
朋也くんと春原の友情と春原兄妹の物語に感動する気が全く起きませんでした。
一方の不良グループのお話は、特に酷くはなかったのですが、私個人としては感銘が薄かったです。
このアニメに対する文句は、これで概ねオシマイです!
さて…第9話から、物語が本格的に動き出しました。
朋也くんが高校を卒業してからの歩みがCLANNADという物語の本編なのかもしれません。
学生時代は、風子やことみ等の少女たちを精一杯後押ししてハッピーエンドに導いてきた朋也くんも、
社会に出てからは、完全に無力な小僧っ子でした。主人公補正が完全に切れています。
朋也くんは自分がガキだったことを自覚して、芳野さんにお願いをして職場に入れてもらい、
必死に仕事を教わって、社会人になり、愛する渚ちゃんと結婚をして一緒に生きていこうと頑張っていきます。
生きるって何なんだろう?…親になるってどんな気持ちなんだろう?
社会に出て歩き出した朋也くんと渚ちゃんの姿は、裕福ではありませんでしたが、
生まれてくるであろう、お腹の中の子供へ想いを馳せ、未来への希望を信じていて、
学生時代のどんなお話よりも一時一時を濃密に感じ、観ていて心に染みました。
そして、不幸に襲われて朋也くんは、また躓いてしまいます。出産と引き換えに渚ちゃんを失ったことにより、
精神的に耐え切れなくなった朋也くんは、幸せだった想い出に蓋をして逃避するかのような生活を続けます。
朋也くんの弱さから一度は捨ててしまった家族の絆を取り戻しての再出発となる第18話と第19話。
ここは、この物語の山場です。詳細は一切言いません…是非とも見てください!
CLANNADは長い長いお話でした。だからこそ…奇跡が起きて、『小さな手のひら』をBGMに、
ハッピーエンドに向かう最終回後半には、こみ上げるものがありました。
私は…悲しいシーンではあまり泣けなくて、嬉しいシーンで涙腺が弱くなるようです。
シナリオの細かいところをつつけば、朋也くんの行動に疑問点はありますが、
家族と人生について考えるきっかけになる名作だといえるアニメだと私は思います。
これにて、感想を終わります。