蒼い✨️ さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あんまりソワソワしないで♫
アニメーション制作:スタジオぴえろ、スタジオディーン
1981年10月 - 1986年3月に放映されたTVアニメ。
高橋留美子先生の初アニメ化であり、スラップスティックコメディとして名高い作品。
観たことが無くても名前だけはご存知の方は多いと思います。
宇宙一の浮気者、『世界中の可愛い子ちゃんは俺のものじゃ!』諸星あたるくん。
『浮気は許さない!電撃でお仕置きだっちゃ!』鬼娘の宇宙人ラムちゃん。
この2人を中心とした、SF・ファンタジー・幽霊・不条理・日常なんでもありの学園ラブコメです。
今のラノベやアニメに多大な影響を与えているエポックメイキング的な作品と言っても過言はないですね。
とりあえず、思ったこと!
・物語の評価
1回の放送で2話構成の頃は軽妙なテンポで、ちょうど良い長さでした。
初代監督の押井守は最初の頃は原作ファンに叩かれながらも真面目にやってましたけど、
2年目には、独自色を出そうとして原作を軽視した感じでしたね。
そこがウケたりしてたんですけど、局プロに呼び出されて大説教されたり、
いろいろ大変だったらしいです。
自分の趣味で面白くもない立ち食いそばの話をオリジナルでやったり、
原作にあった高校ミスコンの話がアニメオリジナルの選挙話に内容が差し替えられたり、
当時にネットがあったら賛否両論で炎上スレスレだったと思われます。
ただ、このフリーダムさが押井時代の魅力だったのかもしれません。
第123話 「大金庫!決死のサバイバル!!」
第124話 「マル秘作戦・女湯をのぞけ!」
原作にない話でもこの2本は珠玉ですけどね!
でもやっぱり一番素晴らしいのは、第067話「君去りし後」
これを観れば分かる通り、原作を大事にして良い話も作れるのに、
独自の路線を追い求めたくなるのは作家性の悪癖なのでしょうかねえ?
3年目の春の放映から製作がスタジオぴえろからディーンに変更。
監督も、やまざきかずおに交代。
実はこの人、作画監督&演出家としては評価されてたのですが、
お笑いの才能がないのですよね!交代直後は頑張ってたのですが、
原作準拠 &各話スタッフに丸投げ &お話のテンポがトロすぎる
笑えない、うる星やつらに変わり果ててしまった感じです。
時期や話によってストーリーの面白さの差が大きいので点数をつけにくいですね。
・作画の評価
押井監督の時は、タツノコプロっぽさが残る当時のTVアニメの標準って感じで今の人には物足りないかも?
やまざき監督の時は、当時の萌えアニメの最先端作画ってかんじですね!今見ると流石に古いですけど。
・声優の評価
これは文句なしでしょう!
平野文、古川登志夫、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子、永井一郎、田中真弓、千葉繁 etc.
今見ると超豪華メンバーですね。
・音楽の評価
押井時代は、OP/EDがアニソンとして珠玉ですね。
『ラムのラブソング』『宇宙は大ヘンだ!』『心細いな!』『星空サイクリング』
『I,I,You&愛』『Dancing Star』『夢はLove me more』
やまざき時代。
『パジャマ・じゃまだ!』『CHANCE ON LOVE』『OPEN INVITATION』
などは良かったですが、
全部英語のOP/EDとかもあって、そこは趣味じゃなかったような!
作中のBGMは、風戸慎介、安西史孝、西村コージ、星勝、ミッキー吉野
と5人も担当しており、良かったと思います。
・キャラの評価
昭和50年代当時にラムちゃんを作った高橋留美子先生は、天才だと思います!
『うちのお腹の中にはダーリンの子供がいるっちゃ~!!』(狂言)とか凄いです。
実のところ原作の高橋留美子は女が精神的に強くて男が弱い作風。
対して初代監督の押井氏は女心がわからない人(ラムを理解できないと言ってました)
異なる個性がぶつかってその結果アニメがヒットしたのかもしれませんね。
(結果、作風とやりたいことの違いで監督降板になってしまいましたが)
ただ原作も後半はキャラが淡白で小綺麗になってしまったのが残念といえば残念。
やまざき時代にアニメのパワーが右肩下がりに落ちていったのも原作に起因してるのかも。
アニメ版うる星やつらを象徴する存在として、
原作初期で早々と消えたもののアニメでは個性が肉付けされ、
半ばオリキャラ化して最後まで残ったあたるの友人・メガネの存在は欠かせないでしょう。
性格は、監督・押井守+声優・千葉繁のキメラみたいなもので、
そう言うだけで、どれだけ濃いキャラか想像がつくかと!
酸欠を引き起こしそうなほどの千葉繁の怪演が凄いですね。
押井節はモラトリアム全開で、あんまり好きじゃないですけどねw
アニメ版うる星やつらは、作画監督によって人物の顔が違ってたりしていますし、
スタッフによってやりたいことが結構バラバラなんですが、
全部包み込んでしまう懐の深さが原作にあったかな?と思われますね。
と、いろいろ比較的好意的に書きましたが、
『ちゅど~ん』『だっつーの』など今の時代に、うる星のノリが合わない人が多くても仕方無いです。
後期なんて尺の長さとか会話のテンポとか今の自分には合いませんでしたし、アクビの出るアニメでしたし。
アニメの歴史を語る上での過去の作品として思い出にした方が良いのかもしれませんね。
2010年?の障害物水泳大会を観て苦しい物を感じましたしね(苦笑
これにて感想を終わります。読んで下さいまして、ありがとうございました。