cabinmild さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
リアルな学校社会のゆがみ、「うまい生き方」とは
特別感動とか爆笑ということはないですが、観終わった後にほどよい爽快感とカタルシスを感じる作品でした。
学校が舞台ですが、主人公・比企谷八幡のダークヒーローストーリーです。
リアリティありすぎる学校社会の中で、「ぼっち」である主人公・比企谷八幡が裏で暗躍し、事件を解決していく様は見ていて爽快でもあり、やや滑稽でもあり、妙な面白さがあります。その方法も、徹底的に"逆"王道を貫いており、この作品のオリジナリティを確立しています。
心の動きを描いた作品だけあり、心情描写の演出も優れています。
しいて言えば、比企谷くんのぼっち設定がちょっと嘘くさいかなというくらい。傍から見ているとコミュ力高すぎです(笑)。たしかにモテるタイプではないのかもしれませんが、これだけ気を使えて冷静な判断力があれば、生まれてこの方友達がいないということはないでしょう。普通の学園モノなら気にならない程度のフィクションですが、人間模様がリアルな分、ちょっとひっかかってしまいました。
日本社会というと大げさかもしれませんが、「人間性や能力が正しく評価されない学校社会のゆがみ」という構図は上手く捉えられており、主人公の考え方にも一考させられる作品です。