ぽ～か～ふぇいす さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

全体的には微妙ながら中盤のギャグ回は中々面白かった

原作はフルメタの賀東招二よよるライトノベル
１巻のみ既読
１巻のみっていうのは要するに身も蓋もない言い方をすると
この作品に2巻を買う価値は無いということです
この忙しい時期にそんな微妙な原作の作品を見る気になった理由は
あの原作を京アニがどう料理するのか興味があったのと
シルフィー（CV:黒沢ともよ）の文字につられてしまったため

しかしシルフィーに関しては完全に端役でした
セリフらしいセリフがほとんどありません
時々奇声を発するだけの存在
じゃぁ完全に期待はずれだったのかというと
実はそう単純な話でもありません
シルフィーのセリフの大半はともよちゃんのアドリブだそうなので
たとえそれが思いっ切り滑りっぱなしでも
ちゃんとした役をやっていいる時とはまた別種の魅力があったので
これはこれで収穫だったと言えましょう

声優関連では代わりに株を上げたのはお姫様
ラティファ・フルーランザ役の藤井ゆきよさん
ああいうガチガチの正統派お姫様役ってかえって難しいものですが
なかなか自然な感じに上品でとてもかわいかったです
藤井ゆきよさんノーマークでしたがこの人もアイマス声優なんですねー
最近は期待の新人ってだいたいアイマスのどれかと絡んでる気がします
ところであのお姫様盲目設定だった気がするんですが
何で変えちゃったんでしょうかね？

そして声優でもう一つ外してはいけないのが
モッフル・マカロン・ティラミーの３バカおっさんトリオ
この三人に川澄綾子・白石涼子・野中藍と
メインの女の子や妖精さんたちとは明らかに傾向の違う配役
脇役を実力者で固めて締めるっていうのは
最近じゃ珍しくないパターンですが
この作品に関してはギャグパートの主役はこの３匹と言っても過言ではなく
３人の好演が作品の面白さを引き立てています

頑固おやじモッフル
ぐーたらおやじマカロン
セクハラおやじティラミー
子供の夢をぶち壊す不良おやじたち・・・
きぐるみの中身がおっさんっていう現実より
きぐるみが生身でおっさんってほうが余計酷いと思うんだ！

原作一巻の内容は最初と最後の数話ずつで
その間の話は本来ならば廃園を免れたあとの
２巻以降のエピソードのようです
２巻以降でギャグ路線に転向していったのか
それともシリアスメインの原作を
アニメ向けに弄った結果ギャグメインになったのかわかりませんが
中盤あたりが一番面白かったように思います
特に３バカがメインでやらかす８話の入れ替わりの話は面白かったです

逆にうまくいってない部分としては
「心を読む」という料理しやすく料理しが甲斐のある能力が
ほとんどお飾りになっていてストーリーにしっかり生かせていない点
シナリオの中で上手く生かせば面白くなると思うのですが
設定がほとんど死んでる状態で時々思い出したように使われると
なんかすごい蛇足感がしますね
たぶん話の順番を無理に弄った影響なんでしょうね

最終日絡みの話はアニメのほうがうまくやっていたと思います
{netabare}経営難のチームがたまたまスタジアムを探していた
っていうのもかなり無茶な設定だとは思いますが
わずかに足りない分をこれまで出てきた脇役なんかを再登場させて達成したあたりなんか
かなりベタだけど悪くない話の運びだったと思います
原作はスタジアムに忍び込んで放火して客を奪ってくる
という頭おかしいオチだったのでよっぽどましですね
お客さんのたのしい気持を糧に生きている
足りなくなるとやがては消えてしまうって設定で
他所に放火して客奪ってくるっていうのは
現実世界で同じことをするよりもよっぽど罪深いと思うんですよね
これは良改変だったと思います

ただしラティファ様の回復に関しては少し残念な形でした
原作のままでもきれいな形だったと思うのですが
まぁ２期をやる気が無い場合
ここで治してあげないとそのまま永遠に治る機会を失うわけですから
こういう形で決着をつけてしまう必要があったというのは納得できます
しかし条件クリアまでに別の問題と解決を挟んで
アニメオリジナルでしっかりと描かれた人数ノルマの話と違い
こちらは特に何もしなくても勝手に治っちゃいました
というあまりにいい加減な結末
前者はアニメ向きの別のハードルを用意したのに対して
後者はハードルのほうが勝手に下がっただけ
物語の根幹をなす部分でそれをやってしまうのは
物語全体の質を下げるというのと同義です
{/netabare}

全体的に京アニは頑張っていたと思います
最後までそこそこ楽しく観れました
２巻以降を買う気にはなりませんでしたが
２期があったら見てもいいかなとは思います