空色の猫 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
題材・設定は良。ただ展開が極めて鈍く弱い。
存在を賭けて戦う美しい人形たちと関わるなかで、人生を半ば放棄した少年が変化していくという主軸は悪くない。
ただドールたちの思考が偏っているのは仕方が無いとしても、問題を抱えた人間たちの考え方までも軽薄で性格が上滑りしており、訴える力が弱いのは残念。
また、不思議な世界観を持っているものの、各事件自体は矮小で、それにまつわる戦闘も深みがなく、主張がボケている。
原作自体に特殊な設定と用語を撒き散らすわりに進行が遅いという欠点があるのを、アニメでは良く纏めたともいえるし、小さく収めすぎたとも言えそう。
声の質と演技は高水準。設定と絵柄だけでも人気があったキャラクター達をほぼ完璧に捉えている。主役級はいずれも優れているのだが、中でも軒並み派手なドールたちの中にあって、最も地味で扱いづらい真紅役を務めあげた沢城には脱帽である。
総じて、登場人物の設定や配役は上手なのだが、それを活かしきる舞台を物語りきれてないのではないだろうか。