kids さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメオリジナルの設定が光る!
小説が原作です。原作がある作品でここまで設定をいじっている、しかもその設定がとてもいい感じでハマっている作品も珍しいのではないでしょうか?
★あらすじ
ある日、半妖夢で不死身の身体を持つ少年神原秋人は、校舎の屋上から飛び降りようとしていた少女、栗山未来を見つけ、助けようとするが、彼女は妖夢を討伐して生計を立てる異界士であった。未来は秋人を討伐しようとするが・・・。やがて2人は大地主である名瀬家を巻き込んだ事件に関わっていく
★登場人物について
この作品はキャラがしっかりしていたのが魅力だと思います。ここでは特に印象に残った3人を紹介します
《不死身の半妖》神原秋人
この作品の主人公です。文字通り半分人間で半分妖夢の「半妖」であり、致命傷を受けても治ってしまう程の治癒力を持つ「不死身」の存在です。異界士からは妖夢として狙われうる立場にあり、人間でも妖夢でもないという複雑な立場や、自らの妖夢としての一面の力の強大さに苦悩する姿がとても印象的でした。メガネフェチというおまけ設定もギャグパートではとてもいい味を出していたと思います。
《不愉快です》栗山未来
ヒロインは「汚れた一族」と忌み嫌われています。自らの血を自在に操ることができ、しかもその血が妖夢を倒す強力な武器となるという特異な能力を持っているからです。自らの能力ゆえの立場や、{netabare}秋人を殺すという氏名と秋人への想いとの間で揺れる姿{/netabare}は終盤の重要な部分として挙げざる負えないでしょう。口癖である「不愉快です」というセリフに、毎回色んな想いが込められていたのが印象的でした。
《アイドル枠のアニメオリジナルキャラ》新堂愛
作品が重くなり過ぎないために登場したと思われる、妖夢の女の子です。この子が原作に出ていないとは思えない存在感でした。妖夢石を換金する写真館に住んでいて、人間に敵意もなく普通に高校に通っています。この子がとにかく作品中いちばん可愛かった(笑)。まあそれを狙っているキャラなので当然なのですが・・・。
このキャラの影響もあって僕は{netabare}第6話のダンスシーン{/netabare}が大好きです。
ちなみにこの作品の番外ショートアニメの『きょうかいのかなた アイドル裁判! 〜迷いながらも君を裁く民〜』では愛ちゃんが裁判長として好き放題しています。愛ちゃんのキャラが濃くなっていて若干イタイですが観てみるのもいいと思います。
★その他
さすがは京都アニメーション、画が落ち着いていてとってもとっても綺麗です。氷菓もそうでしたが、光の表現の美しさは一級品だと思います。
また、OPもとってもいい曲でした。茅原実里さんの歌声は他作品のOPでも聞いてきましたが、毎回いい歌声で素晴らしいです。
★最後に
原作を結構いじっていることや、結末に対して不満を持っている人が結構いるみたいです。気持ちはわからなくは無いですが、それを差し引いても僕には好みのいい作品でした。落ち着いた気持ちで楽しめる作品だと思います。