ローズ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
無差別ではなく目的のあるテロ
高校に転入してきた九重新(ここのえ あらた)と久見冬二(ひさみ とうじ)。
転入先の学校では三島リサ(みしま りさ)がイジメの対象となっていた。
その後、スピンクス1号・2号(新と冬二)と自称する若者達が動画によって犯行声明を出していた。
動画の予告どおり東京では大規模停電が発生し新と冬二の仕掛けた爆弾で都庁で爆発が起きる。
冬二を目撃したリサには「ここで死ぬか、共犯者になるか。」という選択を新が迫り、リサは共犯になる事を選ぶのであった。
始めは問題視されなかったスピンクスの犯行声明。
窓際族になっていた警視庁の柴崎健次郎(しばさき けんじろう)は、たまたま1回目の犯行声明の動画を見て、実際にテロが起きると関連性を疑います。
なぞなぞで爆破場所を伝えるスピンクス。
その答えを導き出す柴崎。
柴崎は捜査一課に復帰してスピンクスの爆破予告の謎を解き3回目の爆発を阻止する事に成功。
ここで柴崎VSスピンクスという構図ができます。
しかし、この事件にアメリカFBIが介入してきて状況が一変。
ハイヴと名乗る少女の指示の元、スピンクスの置かれた状況も変わり、ハイヴVSスピンクスという構図になりました。
それにしても民間人の安全を目的としないハイヴのやり方には怖さを感じます。
彼女にとってはスピンクスとの知恵比べのほうに比重がかかっているのでしょう。
全体を通して暗いテーマの作品です。
特にアテネ計画と呼ばれていた人体実験の真相は、実際にあったら大問題です。
テロを正当化する事はできませんが、新と冬二の行動に理解できてしまう自分はどこか間違っているような……
それほどアテネ計画の非人道的なやり方が個人的に許せません。
新と冬二が被害者であればハイヴも被害者。
ハイヴの行動が独断過ぎるのも彼女にとっては遊びなのでしょう。
ハイレベルな知恵比べですが、それに巻き込まれる民間人は大迷惑です。
最終話には新・冬二・リサの和やかに遊んでいるシーンがあります。
新と冬二には自分達の計画が達成した感があったのでしょう。
ほのぼのとしたシーンが続いて終わるのかと思えば、アメリカ軍のヘリコプターが登場。
最後ぐらい主人公に花を持たせてあげたかったです。
テロには原子爆弾も使用。
原爆投下や原発事故の起きた日本にとってはアレルギーのでる内容かもしれません。
本作品の真似をして実際に事件が起きたら怖いような……
警察や自衛隊の皆様方には頑張ってもらいくなるような現実感のあるテロ事件。
安心・安全が当たり前の日本人にとって考えさせる内容の作品でした。