ダレイオス さんの感想・評価

4.2
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

普通の学園ドラマ

最初の第一印象は絵と背景は綺麗だなが印象的ですね。
爽やかな感じの色使い、綺麗な背景（写真加工ぽいけどわかりません）
登場人物の輪郭の描き方の綺麗さ表情の細かさなどはクオリティーの高さは
感じることが出来て視聴者が物語に溶け込みやすい雰囲気作りは出来ていました。
途中で作画がタレないかなと心配でしたが最後まで持続出来て
その点は素直に称賛出来ると思います。
要するに見た目の出来はかなり良い。

で、ストーリーですが声楽部の部員の来夏が去年の発表会で大失敗してしまい
今年はステージ（発表会かな？）では歌うことを顧問の教頭に禁止にさせられる
所から始まります。
ここまではよくある教師と生徒の対立ですがここで何を思ったのか
何が何でも歌いたい
来夏は退部をして新しく部（合唱部）を作ろうとするいきなりの展開である。
私立高校とはいえ部活動て簡単に作れるものなんでしょうか
ラノベならわかるけど普通の青春モノにみえたので、その点は引っかかるし
動機が若さの暴走でと言えるので自分のミスで都合のいいように行かなくなったら
自分の都合のいいルールを作るどう考えても無計画で個人的には擁護は出来ない。
でも自分は嫌いじゃないかな諦めたらそれで終わりなんで
無茶苦茶だとは思うけど、その努力は認めます。
高校生らしくて理屈なしにやりたいことを努力して成し遂げる。
個人的にはそういった前向きな来夏は一番好きですね。

２話に関しては展開が凄く早いです。メンバー集めがすぐに終わり
校長へ直談判で許可をもらい創部成功とダイジェストでも見ているのかと思えるほどです。
そして発表会を行い歌うことが出来たので目的達成です。１クールもあるのにえっ？もう？て感じでしたね。
本来ならあまりにも自分勝手な来夏に世の中の厳しさを与える脚本が本来の流れな気はしましたが
来夏を満足させるだけの内容になっていて、これでは来夏の心の成長にはならず
最近のアニメなんだなって感じました。
ただここでのコーラスがかなり上手いので展開が早いことも忘れて
素直に良かったなと思える２話のＥＤだったし
やっぱり、何かを真剣に頑張る高校生はやはり理屈なしに素敵です。

３話以降は目的を達成し、もうやることない様に見えたので何をやるのかなと思ったら
合唱部のメンバーが所詮急造だったためか、急造メンバーがすぐに辞めてしまい
再び正式メンバーを集める構成でメインキャラ５人の物語になります。
ここからはギャルゲーの各ルートみたいな感じかな、あるキャラのルートに入ると
まったく別の話になるアレです。
ここからは、合唱、家族愛、自分の将来の夢、最後はラスボスによる理不尽な仕打ち
と１クールにしてはテーマを絞り切れてないので良い青春物語だな
とは思いつつも中途半端な構成ですね。
ただ各キャラのシナリオ自体はいい話が多くて
キャラも一生懸命なので共感は出来ました。合唱部も練習シーンが多くて
練習描写は素晴らしいのでまじめにやっている感じが手に取るようにわかり
見ていて心地よい気持ちになれるのは青春モノとしては大成功でした。
正式メンバーになると最後のＥＤで加わるのも使い古された演出なんですけど
ああ・・・仲間になったんだなという実感が沸くので成功でした。

各シナリオについては

和奏シナリオは教頭とアニメ開始時には亡くなっている和奏の母親まひる
の話は死がかかわる話にもかかわらず、まひるの生前の楽しそうな描写
が中心なので暗くならず学園モノとしての見やすさはあったので良かった。
和奏は母親が生前の時は嫌っていたけど、嫌っている理由がイマイチ弱かったかな
勉強の邪魔に感じた被害妄想的な反抗期と考えれば自然かな
母親がそんなには酷く見えなかっただけに子供の大人に対してさやかな抵抗としてみれば
良かったと思う。若きころの未成熟な女の子見せ方としては、あながち間違ってなかった。
母親が亡くなってから真意を悟ってからの和奏は母親に対して自分の愚かな態度を反省し
心の成長が見れたのは良かった。

紗羽シナリオは、なりたい職業に関しての気持ちはわからなくもなく
いい青春物語だったと思います。
紗羽の父親も一歩間違えば危険なクレーマーですが
娘に対しての熱い思いは理屈なしに伝わるものはありました。
ただ入学案内書を見てから騎手になるための急なダイエットを始めたについては
アニメを作る上でネット社会の弊害かな
今の世の中調べれば紗羽の年齢なら４６．５キロ以下でなければ
入学出来ないとすぐにわかるので設定は無理だったかも知れません
そう言えば紗羽は高身長でふっくらしていて、とても騎手志望の体格には見えませんでした。
アニメ的には見栄えがいい見た目なんでしょうけど
この体格で無知なら、残酷ではあるが落とされても同情の余地はないと思ってしまいました。
体重制限のあるスポーツはシビアなので、いい話だけど設定は苦しかったかな

田中とウィーンのシナリオは面白いという点では１番だった
ご当地ヒーローショーをみんなで頑張る所は今までで１番一体感があり
ギャグやノリも面白くて数々のハプニングもあってか
落ちもしっかりしていたし１番話はまとまっていた。

最後は合唱部と声楽部の対決になるのかと思ったけど
いきなりラスボスとも言える大人が出て来て妨害しだして
ビックリしましたね。
妙に出なくてもいいはずなのに校長に割合スポットが当てられて
大人の不憫な動きも若干見られたので何かあるなとは思ってましたが
この展開とはアニメのお約束的でやっぱり！！でした。
それでも校長の生徒への熱い思いは伝わりましたので
アニメらしいので終わり方は綺麗だったと思います。

声優さんは萌え声ではなくて普通の感じの演技でしたね。
オタク向けの演技ではありませんが自然な感じの演技は良かった。
合唱時の歌唱力も感じられたので制作者側はよく考えて選んでいるなとは感じました。

色々トラブルはあったけど、それも青春と考えれば普通の学園ドラマと
言えるのではないでしょうか、各シナリオ自体はかなりいい話は多いが
全体の構成は色々やりすぎて中地半端な感じだったのでストーリー的にはトータルで意外にも普通でした。
おそらく声優さんの頑張りや作画や演出のクオリティーが高いので中途半端さをカバー出来たのだと思います。