「かみちゅ!(TVアニメ動画)」

総合得点
72.8
感想・評価
810
棚に入れた
4574
ランキング
1096
★★★★☆ 3.7 (810)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ほの薫る、青春の息吹。

アニメーション制作:ブレインズ・ベース
2005年6月25日 - 9月28日に放映された全16話(TV未放送4話)のTVアニメ。
監督は舛成孝二。

【概要/あらすじ】

ゆりえ『光恵ちゃん?』
光恵 『んー?』
ゆりえ『私、神様になっちゃった』

1983(昭和58)年の夏服が眩しい季節。
広島県の尾道市がモデルの港町が舞台の物語。

同級生の二宮健児君に片想い中の中学二年生・一橋ゆりえは、
ちっちゃくって鈍くさい、平凡な女の子。
可愛いと言えば可愛いが特に美少女でもないし、勉強も得意ではない。
宿題もせずに自室で、だらしなく寝転んで煎餅とジュースを口にでもしながら少女漫画誌でも読んでいそう。
気が小さくてあがり症のくせに一つ年下の弟には内弁慶。

そんな女の子が視聴者に経緯の説明も無く、
現役中学生の神様になった事後報告から物語がスタート。
神様と言っても日本の神様らしく、
人の目には見えないけど日本中の何処にでも八百万の神々がいるという世界観。
例えば、レコードの神様、VHSの神様、アメリカンクラッカーの神様(漫画版)
と言った具合に万物に宿る付喪神が多いですね。
七福神といった有名な神様もいれば、土着のマイナーな存在でも人の姿をした神様もいますが。

神様となったからには『苦しい時の神頼み』の言葉通りに、
神様のお仕事として困りごとの解決をしなくてはいけません。
ゆりえは少し前まで普通の少女でしたから、神様としてどうすれば良いのか判らずに四苦八苦。

『がんばる!』

自分に対しては怠惰ですが、お人好しで困ってる人を放置しておけない性分が彼女の美点。
ゆりえは一生懸命に、時には友達の助力を得ながらも一つ一つの案件を解決しようとします。
この世界には神様協会という人ならざる存在による組合が存在していて、神様のお仕事をサポートしてくれます。

ゆりえとは元から仲のいい友人である、眼鏡の優等生・四条光恵。
ゆりえを現人神兼御神体として協力させて、経済的に苦しい実家を繁盛させたい神社の娘・三枝祀。
祀(まつり)の妹で中学一年生。おかっぱ頭で神通力があり控えめな性格の少女・三枝みこ。

彼女らの他にも、ゆりえの家族などの人間達、そして神様たちを交えて、
淡々と時間がゆるーく流れていく昭和の日常を描いたアニメです。
ゆりえの恋の行方も当然、忘れてはいけませんが!

【感想】

異能アクションバトルを扱った『R.O.D』のスタッフをほぼ引き継ぐ作品です。
TVアニメと言えば、日本が舞台でも髪の色が赤かったりピンクだったり黄色だったりするのが当たり前な年代で、
キャラ原案が『おねがい☆ティーチャー』の羽音たらくなのに、キャラデザインがすっごく地味!
神様という設定があるものの、今までこのスタッフが手掛けた作品と比較して地味で垢抜けない感じ。
お話も事件性のあるものよりは、ただ日常を描いただけのものが多かったような。
角川とかメディアワークスの作品と比べても作風の系統が違うような?

スタッフが目指した着地点は、大林宣彦監督の映画に憧れたのか?
舛成孝二監督らが尾道を舞台にした青春動画を作りたかった!

結果として登場人物が等身大の普通の人間っぽく描かれてアニメ的なギャグや演出が鳴りを潜めるわけですね。

だから、エピソードもファンタジー色が強いものが個人的には感銘が比較的に薄く、
青春キネマを感じさせる中学一年生の幼い恋心を描いた回や、
だらだらとした一日を描いただけの回などのほうが完成度が高かったりで、
個人的には第11話「恋は行方不明」と第14話「夢色のメッセージ」がオススメだったりしています。
他にもTV放映されなかった本当の最終回も良かったですね。
ゆりえ、祀、光恵の女子トーク。彼女たちが本当の意味での親友同士であるというのが窺えます。

作りたい作品を作る姿勢はビジュアルに徹底されていますね。
実在の尾道を再現した舞台。
他の作品には見られない表情の作画。

目の動き頬の動き口の動きが独特なのですが、
特に女の子が泣いてるときのブサ顔は一見の価値ありです!
『SHIROBAKO』2話で木下監督が力説した内容の意味がわかりますかと。

主役の一橋ゆりえ役のMAKOさんの声優デビュー作でもあり、その演技には賛否両論がありますが、
個人的には、たどたどしさが初々しく感じられて役柄にハマっていたと思います。、
作画のこだわりとの相乗効果で幼さが抜けきらない中学二年生の少女を秀逸に表現していました。

今回全話を視聴して思ったのですが、10話目まではそれほど面白くもなかったのですが、
後半に良エピソードが集中していた気がします。
まったり、ほのぼの、ゆるやかな世界観、人の心の機微が好きな人にはオススメの作品に思いました。
人によっては全く面白くないかもしれませんけどね!
(事実リアルタイム時に面白くないと言っていた『R.O.D』ファンの知人がいました。)

漫画家・鳴子ハナハルの数少ない非18禁漫画としてコミカライズ版が、「コミック電撃大王」で昔に連載されていまして、
全2巻、とても良かったです。もし入手可能ならオススメしますと宣伝!


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/11/17
閲覧 : 814
サンキュー:

90

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